2020 Fiscal Year Research-status Report
洋上風力発電におけるウィンドファームの数理モデル化とフォーメーション制御系設計
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20K04556
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
牛田 俊 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30343114)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 風力発電 / ウィンドファーム / フォーメーション制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の既存の研究成果を活かして「実機データに基づいた風車単体の数理モデルを獲得」し,複数の風車を複合した「大規模ウィンドファームの解析用シミュレータを実現」するために以下の研究実施計画を予定している. 研究課題立ち上げとなった1年目の2020年度では,コロナ禍により所属機関の出張が全面自粛となっていたため,当初予定していた実機データ採取実験を変更し,シミュレータ構築のための環境整備を行うことになった.シミュレータから得られたデータを用いて風車の数理モデルを得るためのシステム同定手法を検討した.風車のシミュレータ環境が整うまでの間,研究室既存の幾つかのメカニカルシステムに対して,パラメータ同定を行う方法論を試すことになり,その結果をオンラインで行われた学会で情報発信を行った. 加えて,研究代表者の海外派遣(2016年3~9月)先での7MW級の実際の風車に対する実機実験に関する知見だけではなく,それ以降の現状の課題を把握するために,文献調査に基づく情報収集に専念した.これにより,今後,実際の風車実験によって得られる大規模データを活用したシステム同定に基づくモデル化を行い,単体の風車では計算負荷の小さいシンプルな構造をもつ複合的なシミュレータを開発するための方法論や方向性を定めることが可能となった.以上の結果に基づいて,ウィンドファームの数理モデルおよびシミュレータを実現し,フォーメーション制御系設計用シミュレータとしての利用可能性を検証する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により所属機関の出張が全面自粛となっていたため,当初予定していた実機データ採取実験を変更し,研究室内においてシミュレータ構築のための環境整備を行うことになった.予定の変更はあったものの,文献調査に基づく基礎的な情報収取は順調に進んでおり,今後の方針を定め次の段階へ進むための1年目の活動はおおむね順調に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,コロナ禍が長引き,所属機関の出張の自粛が解除されない場合を想定して,研究室内での風車の数理モデルおよびシミュレータの稼働も視野に入れることを,今後の研究の推進方策の一つとして検討を進めている.そのような状況となった場合でも,複数の風車を複合した「大規模ウィンドファームの解析用シミュレータを実現」することが可能な方策を見い出すための工夫が必要とされている.このとき,本研究で目指すウィンドファームの解析と制御器実装のためには,単体風車のシミュレータに可能な限りシンプルな構造をもたせることがキーとなるポイントであることに変わりはない.
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関の出張関係の方針が,コロナ禍により自粛となったため,旅費として計上していた費用を次年度への繰り越すこととなった.今後の出張計画を再考し,旅費や研究方針の変更に伴うシミュレータ環境の整備費用に充てる予定である.
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