2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a 100GHz band measurement system: High sensitivity, high accuracy and high efficiency dielectric evaluation
Project/Area Number |
20K04559
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
清水 隆志 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (80500397)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 材料計測 / 誘電体 / 複素誘電率 / 空洞共振器 / ミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、Beyond 5G/6Gといった次世代通信技術で検討されているW帯(75-110 GHz)における高度な電子機器デバイス開発の根幹を成す要素技術の一つである、100 GHz帯の誘電体材料評価技術を構築することを目的としている。 2022年度においては、2021年度に製作した径方向分割50GHz帯TM0m0モード空洞共振器を用いた実験的検討を進めたところ、共振器励振部ネジ構造に機械的脆弱性があることが判明した。そこで、その改善を施したところ、分割共振器に歪みが生じ、製作当初には生じていなかった隙間が想定以上に生じ、性能指数Q値が半減する事態が生じた。共振器に生じた歪みの修復に努めているものの、現在までに当初特性は回復していない。 このため、100 GHz帯の誘電体材料評価技術を構築を優先し、2021年度に詳細設計を完了した径方向分割100GHz帯TM0m0モード空洞共振器に加え、もう一つのアプローチである軸方向分割100GHz帯TM0m0モード空洞共振器の詳細設計も進め、目標性能指数Q値4000以上が得られる共振器構造を見出し、試作業者と製作工法の打ち合わせを進め、試作を開始した。 また、並行して、軸方向分割50GHz帯共振器の測定範囲拡大に関する検討を進め、様々な誘電体丸棒材料における有効性を実証やその測定不確かさに関する検証を進めた。さらに、本課題の有効性の検証のために、遮断円筒導波管法や円筒空洞共振器法により、誘電体材料の複素誘電率評価を行い、複素誘電率データベースの拡充を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は当初予期していなかった、50GHz帯共振器自体の機械的歪みにより、材料測定の実証試験が実施出来なかった。また、ロシア・ウクライナ危機等に起因した材料費高騰や試作業者の工程確保等が困難となり、共振器試作工程に遅れが生じるという要因も重なり、2022年度目標としてた100GHz帯誘電体材料評価技術を構築完了まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究開発により、径方向分割50GHz帯TM0m0モード空洞共振器に機械的歪が生じた要因やその改善策の検討を進めるとともに、機械的構造に信頼性がある軸方向分割型共振器を試作し、棒状誘電体の100GHz帯複素誘電率計測システムの構築および有効性の検証を2023年度末までに進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
本研究課題の計画時には予期していなかった、COVID-19の感染拡大の影響および2021年2月に発生した福島県沖地震の影響により試作業者の工場に被害が生じた結果、2020-2021年度の研究計画遅れた。さらに、ロシア・ウクライナ危機が長期化し、材料費高騰や試作工程確保等が困難という要因が重なった。このため、2021-2022年度目標としてた材料評価用100GHz帯TM0m0モード空洞共振器の試作開始が出来ず、次年度使用額が生じた。共振器自体の基本設計は2022年度中完了しており、共振器試作費用に充てる計画である。
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