2022 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of low-magnetostriction and low-magnetic noise in Heusler alloy based giant magnetoresistive sensors
Project/Area Number |
20K04588
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中谷 友也 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (60782646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 恭 東北大学, 工学研究科, 教授 (50335379)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トンネル磁気抵抗 / 巨大磁気抵抗 / ホイスラー合金 / 磁気センサ / ノイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年は巨大磁気抵抗(GMR)センサおよび、トンネル磁気抵抗(TMR)センサの低周波1/fノイズ特性を中心に研究した。2021年に確立した、ほとんど磁気ヒステリシスのない、偶関数的な抵抗-磁場特性を示すTMR素子に対し、外部から交流磁場を印加することによる交流変調対するTMRセンサの低周波ノイズ特性の変化を詳細に調べた。
その結果、1/fノイズについての2つの重要な知見を得た。(1)まず、磁化の熱ゆらぎによる1/fノイズ成分は、交流変調磁場によって高周波に変調されるため、この方法では低減することはできない。(2) 一方、結晶特にMgOトンネルバリア中の欠陥におけるよる1/fノイズ(電気的1/fノイズ)は交流変調によって効果的に抑制される。これは、磁化は磁場に対して感受性をもつ一方、結晶欠陥による1/fノイズに磁場によって影響を受けないためであり、今後の高感度磁気抵抗センサの開発にとって有用な基礎的知見である。
また、上記で用いたTMRセンサは、自由層が微弱にピンされているソフトピン構造を用いているが、この構造をさらに改良することにより、MgOトンネルバリアの両側の強磁性層がソフトピンされた自由層である、dual soft-pinned free layerセンサを開発した。これは、自由層の磁気特性の調整によって、高感度センサのみならず、位置・回転検出用磁気センサとして利用できるものであり、幅広い産業応用が期待される。
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