2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on the instantaneous-response burst-mode transmitter and receiver circuits.
Project/Area Number |
20K04600
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 俊二 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80732974)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光アクセスネットワーク / バースト伝送 / バースト送受信器 / 瞬時応答回路 / 反転歪み補償回路 / M値制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、年度開始当初からコロナウイルス感染拡大の影響で大学の施設を活用することができなかったため、机上検討で進められるものを中心に、理論的解析を先行して進めた。研究計画調書で提案したバースト受信器の応答時間解析では、閾値検出回路の時定数、パルス波形の立ち上がり時間、閾値の変動により生じる時間雑音の解析結果から、目標とする応答時間100ナノ秒以下が実現できる見通しを得た。加えて、近年注目されているマルチレート・バースト受信器において、アバランシェフォトダイオードを用いた場合の最適M値がビットレートごとに異なることを解析的に明らかにし、10Gbit/s動作時に最大3.8dB感度が改善することを明らかにした。さらにM値を各ビットレートのバースト信号毎に最適制御する瞬時応答回路を提案し、100ナノ秒以下の応答性をシミュレーションで明らかにした。本解析結果は電子情報通信学会の総合大会で報告し、活発な質疑が行われた。さらに、高速化の検討においては振幅方向の多値化について検討し、PAM4変調に必要な線形バースト受信器の検討を行った。プリアンブル部とペイロード部で自動利得制御回路の時定数を可変化するための判定回路の動作を、プリアンブルの周期性を検出することで実現し、回路の基本動作を確認するとともに、判定回路自体の応答速度も100ナノ秒以下となる見通しを得た。今後はEDAツールを用いて詳細な回路解析およびレイアウト設計・検証を行い、令和3年度内に集積回路試作を行って評価実証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初から、令和2年度は新しいアイディアに基づく回路の動作を理論的に解析し、動作原理を見極めるとともにその性能限界を明らかにする予定であったので、今のところ致命的に遅延している項目はない。ただし、最初の緊急事態宣言下において大学への通勤・通学が原則認められない時期が長く続いたため、EDAツールなど大学の設備を使わなければ実施できない解析項目は、後期以降のアクションとなった。結果、学会等への投稿締め切りに間に合わないなどの軽微な遅延が生じたが、全体としてはほぼ予定通りの進捗状況であり、項目によっては先行検討が大分進んだ項目もある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は計画通りEDAツールを用いて詳細な集積回路設計を行い、試作を通じて動作実現を目指す。優れた結果が得られた場合は、国際会議や英文論文誌への投稿によって成果をアピールする。試作の結果は詳細に評価し、次期設計へのフィードバックを行いながら、新しいアイディアの弾込めを進め、次期研究計画に反映させる。
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Causes of Carryover |
計画当初、令和2年度は学会参加のための旅費の使用を見込んでいたが、学会自体がコロナウイルス感染拡大の影響でオンラインになったため旅費が不要となった。これらの予算は、令和3年度に集積回路評価のための備品購入に充てて有効活用を図る予定である。
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Research Products
(3 results)