2022 Fiscal Year Annual Research Report
放射光直接エッチングによる短ミリ波帯テフロンSIW集積回路の開発
Project/Area Number |
20K04602
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岸原 充佳 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (50336905)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射光直接エッチング / 微細加工 / 短ミリ波帯集積回路 / テフロンSIW |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,放射光直接エッチングにより微細テフロン構造体を形成する方法を利用して,形状強度,回路設計自由度の高い誘電体基板集積導波路(SIW)型の短ミリ波帯集積回路の製作方法を確立する内容である.これにより,文字通りテフロン基板に集積した(埋め込んだ)導波管集積回路の実現を目指している. 2022年度は,G帯(140-220 GHz)動作帯域とするSIW十字交差形3dBカプラやSIW横断回路を集積化した4×4バトラーマトリクスを開発し,SIW集積回路が実現できることを明らかにした.試作は,放射光直接エッチングによるテフロンシートの微細加工と,その表面にAuのスパッタと電解めっきを施すことで行った.評価は,バトラーマトリクスに4つのホーンアンテナを組み込み,V帯信号源と3逓倍器,検波器から成る180GHz測定系にて指向特性を測定することで行った.主ビームの方向が大よそ電磁界シミュレーション結果と一致しているという結果が得られ,本導波路構造と製作プロセスが短ミリ波帯複数回路の集積化に有効であることが確かめられた. また,短ミリ波帯テフロンSIWの伝搬損失の評価を試みた.異なる導波路長の複数のG帯SIWを製作し,180GHz測定系にて通過レベルを測定すれば,単位長さ辺りの減衰定数を決定できることとなる.なお,これに関しては測定結果のバラツキが大きく,今年度製作のSIWではサンプル数が不足していることが判明した.本研究課題では,伝搬損失の概算値を得るに留まった.
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