2021 Fiscal Year Research-status Report
Aerial 3D imaging with long-distance by retroreflective mirror array
Project/Area Number |
20K04604
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
小池 崇文 法政大学, 情報科学部, 教授 (30530399)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 空中像 / 主観評価 / 画質評価 / 視点検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本デバイスの特徴である,縦方向と横方向の光学倍率が異なる点に関しては,空中像閲覧者の視点位置と像の縦横比の関係を理論的に明らかにした.この関係は,幾何学的な考察により求めることができ,理論値と測定値が一致することを確認した.これにより,もともと見られていた,閲覧者の位置により,空中像が伸び縮みするような見え方を補正することが可能になった. 実際の補正は次のように実施する.まず,奥行き深度カメラで空中像閲覧者の頭部・視点位置を計測し,デバイスから空中像閲覧者までの距離を求める.続いて,その距離を用いて縦横比を逆補正した画像をディスプレイに表示することで,空中像閲覧者がデバイスに対して遠近方向に対して移動しても,空中像の縦横比が変わらず,空中像の位置定位が安定する. 光学特性を含む,画質評価に関しては,テスト画像による視域の測定や,斜めエッジ法によるMTF測定の検討を行い,ある程度,本デバイスを評価できることを確認した.評価方法については改善の必要な点もあり,来年度も引き続き検討を行う. また,直接的な学術成果ではないが,東京で開催された,ACM SIGGRAPH ASIA 2021 (2021年12月14日-17日) のExhibitionで展示を行った.共同研究を実施しているオプトセラミックスの展示ブースであったが,研究成果の一部を適用した技術デモ展示を行った.デモでは,簡単な手のジェスチャーや頭部検出による縦横比補正を行っており,技術説明や30秒程度の動画を空中像で表示するものであった.本展示では,デモの体験者に大規模(100名以上の)な主観評価アンケートを実施した.アンケートを評価することで,空中像を正しい位置に認識できる層と空中像がディスプレイに張り付いて見える層が存在することが確認できた.来年度はさらに主観評価を実施して,どのような現象が起きているのか調査していく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縦横比の補正による画質の改善を達成しており,この点に関しては,予定より早い進捗である.一方で,他の空中像デバイスとの比較評価は実施できておらず,この点は計画よりは遅い進捗である.しかしながら,他の空中像デバイスと同じ方法で評価できるかに関して検討の余地があり,最終的には,必ずしも他の空中像デバイスの評価が必要でない可能性がある. 以上より,概ね順調に研究が進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
主観評価アンケートにより,空中像の安定な認識には個人差があることがわかった.この原因を特定するための実験を実施する.また,画質向上には,空中像閲覧者の視点位置の高速で高精度な測定が必須であり,この改善を行う.さらに,画質評価方法について,さらに検討を行い,本デバイスの特徴を十分に評価できる手法を開発していく.
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響により,海外で開催される国際会議への参加は行わなかった.実際,多くの国際会議がオンラインからオンライン中心のハイブリッド開催であったため,海外旅費が発生しなかった.国内においても,まん防等の実施もあったため,出張の自粛を行った.そのため国内旅費も発生しなかった.次年度は,国内外の会議で積極的に成果の発信を実施する予定であるが,当初予定よりは旅費は少額で済む予定である.一方で,画質評価や高画質化において,計測機器や計算用コンピュータの更新や追加購入により,次年度の研究を加速できる可能性があるため,旅費の減少分を物品費の一部として使用する予定である.
|