2023 Fiscal Year Research-status Report
Aerial 3D imaging with long-distance by retroreflective mirror array
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20K04604
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
小池 崇文 法政大学, 情報科学部, 教授 (30530399)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 空中像 / 視点推定 / 3D映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
一方向に鏡面反射特性を持ち,別の一方向に再帰反射特性を持つ,平面反射型光学デバイスであるRMA (Retroreflective Mirror Array)を用いた空中像映像表示技術に関する研究を継続実施中である.この空中像表示技術は他方式に比べて,1) 反射型であるため映像が明るい,2) 数メートル以上の長視距離を実現可能,3) 大型映像へ対応可能,といった特徴がある. 本年度は,次の3つの研究,1) 複数人による空中像ディスプレイ観察時の映像画質の改良,2) 空中像ディスプレイのコンテンツ表現力の向上,3) 空中像を用いた相互コミュニケーションに関する要素技術の検討,を実施した. 1) 複数人が斜めから閲覧した時に,空中像の歪みが発生する.また,それぞれの観察者の視距離が異なると,縦横比の変化が観察されてしまう.この課題を解決するために,RMAを複数枚用いることで,複数の観察者に対して,異なる空中像を提示する手法を実施し,その評価を行った. 2) RMAは一般的な写真のような景色といったものではなく,黒背景に一つの被写体が写っているような映像を用いるが,これは映像コンテンツの種類の幅を狭める点において課題があった.空中像の表現力を広げるために,空中像ディスプレイとプロジェクタによる背面画像を用いたシステムを構築した.観察者の視点位置を推定し,空中像形状に対応する背景部分を切り抜くことで,見えやすい空中像表示を可能とした. 3) 複数台の空中像ディスプレイを用いた人同士の相互コミュニケーションを想定して,そのために必要な基礎検討を行った.複数台のカメラで被写体を撮影することで,視点位置が動いても自然な空中像が見られるようにするためのカメラ配置とその合成アルゴリズムの検討や,3Dディスプレイを用いた相互通信コミュニケーションの基礎実装と実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
提案方式による空中像表示の有効性については十分な確認ができている.それらに加えて,複数人対応やコンテンツ表現力の向上,双方向空中像通信システムの実現に向けた検討など,実用化に向けて必要な研究も実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので,論文化や学会発表を中心に研究を実施していく.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により国際会議がオンラインで開催されたため旅費の使用が予定より大幅に減ったため.来年度に現地開催の国際会議の旅費に使用予定である.それに伴い旅費の使用予定が減ったが,一方で新規アイデアによる研究成果が出てきたので,その研究をすすめるための消耗品や備品に使用する.
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