2020 Fiscal Year Research-status Report
多様なBOX層構造を有するSOIデバイスのシングルイベント現象に関する研究
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20K04612
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
坂本 敬太 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (60867985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 浩造 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (00870255)
新藤 浩之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主幹研究開発員 (90870254)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Silicon on Insulator / Single Event Effect / Buried Oxide / SRAM / Radiation Effect |
Outline of Annual Research Achievements |
SOI基板上に形成されるBOX層の構造差異に起因するシングルイベント耐性(放射線由来の外部ノイズに対する耐性)の違いを明らかにするという目的を達成するため、2020年度では、BOX層構造の形成形状が異なるデバイスの作成と、Pulsed Laserを用いたシングルイベント耐性確認試験を実施した。加えて、シングルイベント耐性と電気的特性との間の関係を一般化するために必要となる、半導体デバイスシミュレーションの環境を構築した。 BOX層構造の差異は、製造の際の作りこみのばらつきを利用することで作り分けた。このようにして作り分けられたデバイスに対してPulsed Laserを入射させ、データがエラーを引き起こすかどうかの応答を確認することでシングルイベント耐性の情報を得た。Pulsed Laserを照射した結果、Laserを照射する場所によって異なるシングルイベント耐性を示すことが確認できた。このため、断面観察は未実施ではあるが構造差異を実現できたと考える。一方で、実際に作りこまれた構造そのものは後解析で知る必要があるため、計画通り2021年度に断面観察を行う。 BOX層構造差異によってシングルイベント耐性に違いが生じるメカニズムを解明するためには、半導体デバイスの内部の電気的な状況を確認する必要がある。このためのツールとして、半導体デバイスシミュレーションを行う環境を構築した。2021年度に本格的にシミュレーションをスタートさせるため、実際のデバイスを模擬するような体系の構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に計画していた作業は、BOX層構造の異なるデバイスの組み立てと、組み立てたデバイスに対するPulsed Laser照射試験であった。上記の作業を年度内に完了することができた。加えて、Pulsed Laserを組み立てたデバイスに照射した結果、異なるシングルイベント耐性が確認できたことから、意図通りのデバイスが製造されたと考えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね計画通りに進行していることから、2021年度及び2022年度も基本的には計画に則して進めていく方針としている。2021年度では、作成およびLaser照射を行ったデバイスの電気的特性を取得する。また断面観察を行うことでBOX層の構造を確認する。2021年から2020年にかけては、BOX層構造、シングルイベント耐性、および電気的特性を半導体デバイスシミュレータに実装し、それぞれの関連性(因果関係)を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
当該年度では、デバイス作成に必要と見込んでいた費用を使用する必要がなくなったことから当該助成金が生じた。ここで生じた助成金については、翌年に実施するナノプローブ測定の測定条件及び測定点数を充実させることを計画している。
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