2021 Fiscal Year Research-status Report
自律的制御機能を有する感温型赤外線反射フィルタの開発
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20K04632
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
荻原 昭文 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00342569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内田 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (40343660)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分光測定 / 紫外線照射 / 液晶材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、コレステリック液晶材料にモノマーを添加した材料系を封入したガラスセルサンプルに対して、UV-LED光源からの紫外線照射を行いながら分光透過率の評価を可能とするシステムを構築した。今年度はこのシステムを用いて紫外線照射量と、選択反射帯域幅との関係について定量的な測定・評価を行った。この結果、紫外線照射量が増加するにつれて選択反射帯域幅は増加していくが、照射エネルギー量に対して帯域幅の変化が急峻に現れる初期段階と、その後、変化が緩やかに変わる段階とに大きく別れて分光透過率から求められる選択反射帯域幅の変化が進行していることが明らかとなった。 この結果を基に、紫外線照射エネルギー量と選択反射帯域幅との関係を定量化した場合、特定の紫外線照射エネルギー量が閾値となるような形状を示すのではないかと推測される。この関係の実験をさらに詳細に行うことで、感温型赤外線反射フィルタの調光特性に有効となる紫外線照射エネルギー量の最適化につなげていけるのではないかと考えている。 さらに、UV-LED光源を複数用いて同時に照射できるシステムレイアウトを設計して照射実験を行うことも試みた。このような紫外線照射と分光透過率測定を組合わせた測定・評価を実行することにより、選択反射帯域幅の拡がリやシフトの様子をリアルタイムで観察することが可能となった。さらに、このシステムの活用により、分光透過率の選択反射帯域幅に影響を与える紫外線照射エネルギーの定量化への目処をつけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R2年度に構築した複数のUV-LED光源からなるシステムを用いて、今年度は、紫外線照射を行いながら分光透過率の評価を可能となってきた。このシステムを活用することで、紫外線照射量と、選択反射帯域幅との関係について定量的な測定・評価を行うことができた。この結果、選択反射帯域幅の拡がリや、シフトの様子をリアルタイムで観察することが可能となり、赤外線反射フィルタの開発におけるデバイス作製を円滑に進めるためのプロセス技術の構築を概ね達成したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築したUV-LED光源と分光測定を組合わせたシステムを用いて、感温型赤外線反射フィルタに重要な選択反射帯域幅の拡がりに有効となる照射エネルギー量の最適化を進める予定である。また、空間的分布を制御した散乱光照射によるデバイス内部の液晶・高分子材料の構造制御が、調光特性に影響することがわかってきたため、この有効性についても検討していく計画である。
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Causes of Carryover |
2021年度の1月後半以降に再び新型コロナの影響が出てきたため、材料等の入荷に時間が掛かる事態が生じた。このため、若干の未使用額が生じたが、この未使用額分については、次年度の早い段階で研究用部材等へと活用していきたいと考えている。
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Research Products
(9 results)