2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K04635
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
浅井 栄大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00722290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 半導体量子ビット / 半導体デバイスシミュレータ / 量子ビットシミュレータ / 量子コンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、古典デバイス領域におけるキャリア電流連続式及び量子ビット領域におけるShrodinger 方程式を逐次的に解きながら自己無撞着計算を行う、「自己整合型量子計算」の開発を進め、更に「単電子輸送現象」及び「1量子ビットゲート」のシミュレーション技術の開発までを進めた。
本年度は昨年度の成果を踏まえ、「2量子ビットゲート」を扱うためのシミュレーション技術を開発した。まず各量子ビットの波動関数及びポテンシャル分布から、ビットのスピン間に働く交換相互作用を計算するモジュールを作成し、 先行研究の実験結果を定性的に再現する事に成功した。更に、この技術を利用して2量子ビットゲート(SWAPゲート)操作のシミュレーションを進め、量子ビットを構成する、Plunger Gate、Barrier Gate 等の寸法ばらつきがゲート操作エラーに与える影響を調べた。更に、この技術を活用して2量子ビットゲート(SWAPゲート)操作のシミュレーションを進め、量子ビットの寸法ばらつきがゲート操作エラーに与える影響を調べた。その結果、2量子ビットゲート操作において寸法ばらつきの影響が非常に大きい事がわかったため、その影響を抑制するためのビット構造やプロセス技術を提案した。
本年度までの開発によって、量子コンピュータ設計に必要となる基本操作、即ち「単電子輸送」、「1量子ビットゲート」、「2量子ビットゲート」を扱う事が可能となり、QCADのプロトタイプを完成させる事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の予定通り、QCADのプロトタイプを完成させる事ができ、またQCADを用いたビットばらつき特性の解析まで踏み込む事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は計画書に記載した通り、共同研究者の作成した量子ビット素子との比較検討を進め、ビット特性を定量的に再現するQCAD技術の確立を目指す。まず、実験グループによる測定が始まった量子ドットの単電子輸送特性の再現に向けたシミュレーションに取り組む。実験の進捗状況によっては単一量子ビットの Rabi 振動の比較検討まで取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ下のため、学会参加のための旅費が必要なくなったため。 今年度はコロナの情勢を鑑みながら、旅費やスパコン使用料へと使用していく。 また場合によってはシミュレータ整備のための外注を行う。
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