2022 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸化とポゾラン反応による組織緻密化が硬化体の物質透過性に及ぼす影響
Project/Area Number |
20K04638
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
徳重 英信 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (80291269)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポゾラン反応 / フライアッシュ / 比表面積 / 強熱減量 / 密度 / 重回帰分析 / 緻密化 / ASR |
Outline of Annual Research Achievements |
ポゾラン材料として代表的な材料であるフライアッシュを用いる際に,分級処理によって製造されているFA-II種灰とFA-IV種相当品質を有する灰について,その品質(ロット)変動がコンクリートのポゾラン反応に及ぼす影響について,フレッシュ性状と強度発現性能を検討することにより,明らかにすることを目的として実験的検討を実施した。 本研究の結果から,JIS IV種灰の強熱減量,比表面積,密度に基づいた統計的手法の検討により各化学混和剤量が求められ,要求性能を満足するコンクリートの配合が可能であることを確認した。なお,実機製造・実証については試験練ミキサと実機の性能の相関が判れば適応可能であると考えられる。配合設計マニュアルについては,灰の品質とコンクリートの性状に関する統計的処理や機械学習的手法により構築が可能であると考えられ,本研究の成果は今後の適切な配合設計のための有用な資料として活用することが可能であることが明らかとなった。また,本研究の範囲では試験期間(6ヶ月)を通して,フライアッシュを混和したコンクリートの有害成分含有量および溶出量については,含有・溶出試験結果からまったく問題がないことが明らかとなった。 以上の結果から,適切な配合設計を実施することで,フライアッシュII種およびIV種の品質変動をコンクリートの有効なポゾラン反応を発現させるパラメータとして表現できることを明らかにした。さらに,これらの材料を用いた配合設計を行った供試体により,炭酸化に対するポゾラン反応によるpH低下との関連性を検討できる方向性が明らかになった。
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