2020 Fiscal Year Research-status Report
地方自治体での利用を想定した道路路面の健全度評価システムの開発
Project/Area Number |
20K04640
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
吉田 純司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90345695)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 維持管理 / 道路舗装路面 / 画像処理 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では道路に関連する構造要素のうち,道路の安全性に直接的に繋がる舗装路面を対象とし,地方自治体が行う日常点検において路面状態を画像で撮影する計測ユニットを開発する.加えて,計測した画像データから路面のクラックを抽出し,抽出したクラックの形状・長さ等から簡易的に健全度を評価して,それを地図上に表示するシステムを構築する. 2020年度は,上記のうち,画像による計測ユニットの開発と,路面からクラックを抽出し,健全度を評価するシステムの構築を行った.計測ユニットについては,小型のCCDカメラと,車両用の吸盤による固定装置を用い,PCに直接画像を記録するシステムを構築した.また,位置情報として安価かつ高精度なGPS装置を同時にPCに記録し,タイムスタンプで両者の同期を計っている. 次に,本計測ユニットを一般車両の天井部に取り付け,山梨県内の道路路面の計測を行った.得られた画像には,車両,歩道,ガードレール,縁石など,路面外のものに加え,路面内においても影,ジョイント,マンホールなどがみられた.そこで,本研究では,まず,画像中を,路面領域,路面領域外,マンホール,ジョイントの4種類にピクセルごとに分類するシマンテックセグメンテーションを行うためのニューラルネットワークを構築した.分類精度は,95%以上の高精度のネットワークを構築することに成功した.続いて,得られた路面領域において,グリッドを生成し,各グリッドを,線クラック,面クラック,クラックなしの3種類の分類し,それらよりクラック率を算出するニューラルネットワークを構築した.こちらについては,分類精度が90%程度であり,今後,更なる精度の向上を行っている予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初,クラックの評価の前処理である路面領域の抽出を行うシステムの構築が予想以上に高精度かつ早く終えることができた.そのため,クラックの評価の行うためのニューラルネットワークの構築に,2020年度のうちに着手することができ,かつこれについてもある程度の成果が得られた.現段階の評価手法については,2021年度は,もう少し精度の向上を目指す予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度については,クラックの評価手法について,精度の向上を目指す.また,これについても,早めに成果が得られれば,評価結果を視覚的に表示するためのシステムの構築についても着手していくつもりである.
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