2021 Fiscal Year Research-status Report
蒸気養生したコンクリートの品質に対するフライアッシュの貢献度評価と高品質化の提案
Project/Area Number |
20K04642
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 由布子 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30624564)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 蒸気養生 / 強度発現性 / 物質移動抵抗性 / セメント有効係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フライアッシュを混和したプレキャストプレストレストコンクリートを対象とし、コンクリートの強度発現性および物質移動抵抗性に対するフライアッシュの結合材としての性能についてセメント有効係数を用いて評価するとともに、フライアッシュの反応に対する蒸気養生の効果とコンクリートの品質向上との関係を明らかにする。また、蒸気養生したコンクリートの表層組織について再整理するとともに、内部養生による高品質化を提案することを目的としている。2021年度は、蒸気養生したフライアッシュ早強ポルトランドセメントコンクリートの強度発現性および物質移動抵抗性に対する内部養生効果を検討した。フライアッシュはJIS A 6201のII種に適合するものを、セメントは早強ポルトランドセメントを使用した。水結合材比は40%、フライアッシュ置換率は0%、20%とし、内部養生材には石州瓦の製造時規格外品を5-13 mmに破砕したものを粗骨材に対して20%置換して使用した。養生は、プレキャストプレストレストコンクリート部材を想定した蒸気養生を行った。作製した供試体を対象に圧縮強度試験およびトレント法による透気試験を行うとともに、曝露面から5 mmごとに試料を採取して細孔径分布試験を行った。この結果、蒸気養生したフライアッシュコンクリートの細孔構造は粗大な空隙が多く残存していることがわかった。これに対し、内部養生することにより、表層組織および内部が緻密になり、物質移動抵抗性が向上する可能性が示唆された。しかし、強度は大きく向上するものの表層透気係数の減少は小さかった。また、比較的初期に気中曝露される蒸気養生の場合であっても、表面含水率の低下が安定するまでには時間がかかり、表層透気係数は長期材齢における評価が必要であることを再確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に示したとおり、蒸気養生したフライアッシュコンクリートを対象とし、圧縮強度性および物質移動抵抗性(表層透気係数を対象)に対する規格外瓦による内部養生効果を検討した。長期材齢における検討以外については、予定通り終了しており概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、長期材齢における各種試験を実施するとともに、蒸気養生したフライアッシュコンクリートの細孔構造および結合材の反応について分析する。圧縮強度および透気係数への内部養生効果について、分析結果を用いて考察する。取りまとめた内容について、積極的に発信する。
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