2022 Fiscal Year Annual Research Report
蒸気養生したコンクリートの品質に対するフライアッシュの貢献度評価と高品質化の提案
Project/Area Number |
20K04642
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 由布子 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30624564)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 蒸気養生 / 強度発現性 / 物質移動抵抗性 / セメント有効係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フライアッシュを混和したプレキャストプレストレストコンクリートを対象とし、コンクリートの強度発現性および物質移動抵抗性に対するフライアッシュの結合材としての性能についてセメント有効係数を用いて評価するとともに、フライアッシュの反応に対する蒸気養生の効果とコンクリートの品質向上との関係を明らかにすることを目指し、蒸気養生したコンクリートの表層組織について再整理するとともに、内部養生による高品質化を提案することを目的とした。 2022年度(最終年度)は、長期材齢における検討を中心に行い、規格外瓦を用いた内部養生により中性化抵抗性を向上できることを明らかにした。また、蒸気養生したフライアッシュコンクリートの表層透気係数は、各材齢における内部養生の効果は大きくないものの、同じ表面含水率時では若干小さくなる傾向であることがわかった。 研究期間全体を通じて実施した研究成果を取りまとめた結果、フライアッシュの結合材としての貢献度(セメント有効係数)は、強度発現性および物質移動抵抗性のいずれの場合においても、規格外瓦を用いて内部養生した場合に小さくなる傾向にあり、内部養生はフライアッシュの結合材としての性能を発揮させるよりもセメントの結合材としての性能を向上させることに寄与している可能性が高いことが明らかとなった。また、蒸気養生したフライアッシュコンクリートの細孔構造は粗大な空隙が多く残存しているが、規格外瓦により内部養生を施すことにより、表層および内部の細孔構造が緻密になり、中性化抵抗性や透気抵抗性などの物質移動抵抗性が向上した。すなわち、内部養生による蒸気養生フライアッシュコンクリートの高品質化の可能性が示唆された。
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