2020 Fiscal Year Research-status Report
Remote impact acoustic testing at a high place such as bridges and tunnels from the ground using a pulsed water jet
Project/Area Number |
20K04643
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 和也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50190989)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / 水撃音響法 / 高所点検 / コンクリート / 橋梁 / トンネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、上方6mのコンクリートの打音検査をおこなうことができる方法および装置を開発することである。令和2年度から令和3年度にかけて、装置開発をおこない、令和3年度から令和4年度にかけて、実証試験と改良をおこなう。 令和2年度において、連続流を用いた高所水撃音響法試験装置が完成した。試験装置は、水供給装置と検査装置から構成される。水供給装置は、洗濯機ほどの大きさのアルミフレームに、ポンプ、水タンク、バッテリー、アキュムレータ、圧力スイッチを搭載し、最高1MPaの水流を供給できる。検査装置は、ウォータガン、ガンマイク、ビデオカメラからなり、手持ち、あるいは三脚に取り付けて使用する。 この装置を用いて、高所点検の実験をおこなった。一辺30cmの正方形コンクリート試験片を検査装置より上方4mの位置に配置し、連続水流を用いて水撃音響法試験をおこなった。試験片は、直径20cmの空洞欠陥を有するコンクリート試験片と、欠陥を有しない試験片の二種類を使用した。ノズル直径3mmのウォータガンを用いて、両試験片の中央部を連続水流で打撃したところ、その打撃音響において、両試験片の差異が確認できた。本試験は、検査装置から試験片までの鉛直距離を4mとしたが、高所水撃音響法試験装置は通常、検査車両上に搭載して検査をおこなうので、地上より検査装置のノズル高さまでの鉛直距離は2m程度となり、合わせて、地上より6mの個所を検査可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、高所点検と水流を節約することによる実用化が二つの大きな目標である。連続水流を用いて、地上より6mの位置にある直径20cmの空洞の検出が実現した。したがって、研究計画通り、目標の半分は達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、高所点検と水流を節約することによる実用化が二つの大きな目標である。令和3年度は水流を節約すべく、パルスガンの開発に取り組む。水流をパルス状に放出すると、放出時間と停止時間の割合に応じて、水の節約が可能になる。しかしながら、水流を断続的に放出すると、水流が整流になり難く、離れた位置で水が拡散する傾向にある。これは、水流のスタート時の先頭部が乱流になるからである。そこで、令和3年度は、含水量が小さな層流ノズルを開発し、パルスガンによる断続水流においても、遠隔の試験を可能にする。含水量が小さいことの利点は、水流の加速を妨げないためである。ノズルは内部に保持する水量が多いほど整流を形成し易いが、水流が多いほど加速が遅くなり、高所の点検が難しくなるのである。 これらの開発が終わった後、令和4年度には、計画通り国土交通省の施設を使って、高所点検の実験をおこなう。
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Causes of Carryover |
当初年度内に納品される予定であった部品の納期が遅れたためで、次年度使用部品でもあるため、次年度に購入し使用している。
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