2020 Fiscal Year Research-status Report
道路舗装の3次元モデル及び点検データを用いた道路地図の調製・更新技術の開発
Project/Area Number |
20K04648
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
今井 龍一 法政大学, デザイン工学部, 教授 (90599143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 寿俊 九州大学, 工学研究院, 助教 (10648611)
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 講師 (50622643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | i-Construction / デジタルツイン / 土木情報学 / 地図調製・更新 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、本研究で取り扱う各種データを保有する企業と意見交換を重ね、データフォーマットの調査と実データを収集した。そして、道路舗装のICT施工データを元に生成した3次元モデルと道路地図との親和性に着眼し、3次元モデルの生成(実施項目A)、3次元モデルと道路地図との重畳(実施項目B)、道路地図の調製(実施項目C)を試行した。 実施項目Aでは、本研究で考案してきた手法を用いて、自動車専用道路の舗装工事における道路舗装機械のログデータから3次元モデルを生成した。これより、本研究で考案してきた手法を用いて、道路舗装を構成する表層、基層、上層路盤および下層路盤の各層の3次元モデルを生成できることが確認できた。 実施項目Bでは、生成した3次元モデルと高精度な道路地図とを重畳し、両者の親和性を分析した。本研究では、国内外で流通している高精度道路地図に収録されている区画線に着目した。区画線は、道路舗装の表層であるため、地盤面の高さの基準線(GL:Ground Level)としても扱える。実験結果より、3次元モデルの構成点と道路地図とは概ね一致することが確認できた。これにより、3次元モデルと道路地図との間に一定の親和性がある成果を得ることができた。 実施項目Cでは、道路舗装の3次元モデルが表層、基層、上層および下層路盤の各層の厚さを保持している点に着眼し、この各層の厚さを地盤面の高さの基準線として扱い、実在地物である道路地図の区画線に収録する手法を発案した。そして、実データを用いた実証実験より、道路地図に各層の厚さの情報を保持させることが可能であるとともに、舗装工事の過程で変化する区画線の位置情報を自動的に更新できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画における令和2年度の実施項目は、道路地図に関わる仕様調査と要件定義、3次元モデル及び地図データの収集と解析、3次元モデルを活用した道路地図の調製手法の開発の3つである。この内、3次元モデルを活用した道路地図の調製手法の開発は令和3年度に本格着手の予定であったが、スケジュールを前倒しで検討を進めることができており、既に実現可能な示唆を得ている。そのため、進捗状況は、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の研究成果は、第46回土木情報学シンポジウム(2021年9月)での学会講演と土木学会論文集F3(土木情報学)への論文投稿を予定している。令和3年度は、当初計画どおり、3次元モデルから道路地図を調製・更新する手法の開発を着実に進行する。また、既に令和4年度に実施予定の「路面の劣化情報を示す指標と道路地図との統合手法を開発」に必要なデータの計測・収集の準備は立っており、スケジュールを前倒して取り組むことが可能な状況である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、コロナ禍による緊急事態宣言等の影響により、本研究で予定していた対面による全体打合せや個別打合せをWeb会議システムで代替したことが挙げられる。そのため、当初予定よりも本研究費による旅費支出が抑制された。また、当初購入予定であった解析用ワークステーション等の購入を見合わせたことが挙げられる。これは、初年度は研究を進める上で必要最低限の物品のみ購入し、開発が本格化する次年度以降に時宜を得た開発環境を整えた方が効率的な予算執行と研究の推進が可能と判断したためである。 次年度使用額を含めた次年度助成金は、主に開発環境の充足と開発支援の人件費に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)