2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structural performance of RC members subjected to chemical expansion due to DEF
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20K04650
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
石川 靖晃 名城大学, 理工学部, 教授 (00257651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 尚史 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エトリンガイトの遅れ生成 / 総エネルギー一定則 / 化学膨張量 / せん断破壊モード |
Outline of Annual Research Achievements |
R2年度では,既存の実験結果を基に,総エネルギー一定則のDEFへの適用性を検討するとともに,数値解析によりDEFがRCはりの構造性能へ及ぼす影響について検討した.その結果,結局,短期的な化学膨張期間の範囲ではあるものの,総エネルギー一定則はDEFに対しても適用可能であること,当該モデルが,DEFにより劣化したRC部材の挙動を予測するうえで有用なツールになり得ることが示唆された. 同時に,1年以上長期的にRC試験体を暴露することで,さらに大きなDEF膨張を生じさせることをねらいとして,硫酸カリウムを混入し高温養生したRC試験体を再度作製することを試みた.RC試験体は斜め引張破壊が卓越するように設計された.その結果,コンクリートのワーカビリティが低いコンクリートとなり、実験に使用できるレベルの供試体を作製することができなかった. R3年度では,配合設計や打設方法を改善することで,昨年度と同様の設計条件でRC試験体を再度作製することを試みた.その結果,化学膨張量の測定および後の載荷試験が十分可能なRC試験体を作製することに成功した.そして10月ごろからはり長手方向および鉛直方向の膨張量の測定を開始した. R4年度では,R3年度に作製されたRCはり試験体に対して継続して膨張量測定を実施した.膨張量測定期間は試験体作製直後から最大1年間となった.そして膨張量測定開始から,1か月,7か月および1年経過後においてRCはりの載荷実験を実施し,化学膨張量の違いが,RCはりのせん断破壊挙動にどのような影響を及ぼすかについて検討を行った.その結果,化学膨張量が極めて小さいRC試験体では斜め引張破壊をする一方で,化学膨張測定から7か月および1年経過したRC試験では,せん断圧縮破壊が卓越することが確認された.すなわち,DEFによる化学膨張はせん断破壊モードに影響を及ぼすことが示された.
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