2020 Fiscal Year Research-status Report
Corrosion factors of underground steel considering reaction/transportation of substances and proposal of countermeasure for the corrosion protection
Project/Area Number |
20K04657
|
Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
西田 孝弘 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (10345358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 慶有 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (90725631)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 土中 / 鋼材腐食 / 抑制方法 / アノード / カソード / 酸素低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,土中の鋼材を対象として,(1)鋼材腐食の進行速度に及ぼす要因の抽出,および(2)抽出された要因を踏まえた腐食の対策方法の確立を行うことである.鉄の腐食反応は,アノード反応(鉄の溶解)とカソード反応(酸素と水の消費)に分けられるが,既往の防食方法の基本的考え方は,アノード反応の抑制である.すなわち,(a)アノード反応の活性度を決める不動体皮膜の回復や(b)不動体皮膜を破壊するハロゲン化物(特に塩化物)の抑制,固定化,あるいは(c)電気防食などのアノード反応の停止である.ただし,土中環境において,不動体皮膜を長期間健全に保つことは難しい.一方で,アノード反応とカソード反応はバランスして生じるため,カソード反応を抑制することで腐食速度を極めて遅く制御できる. 本研究では,鋼材の腐食環境を示すパラメータを,鋼材の腐食現象に影響を及ぼす要因に着目し,同様の試験条件下で定量的に評価する.特に,既往の土壌腐食性の評価指標においては,水分量やpH,溶存酸素,各種イオン濃度などの化学的要因のみに着目した評価となっており,物理的要因である接触面積や物質の移動係数(透水,拡散)を評価する項目が入っていない.これらは,土木構造物のような長期的な供用が期待される構造物において,将来的な腐食環境予測,より精度の高い耐久設計あるいは効果的な対策方法の確立を実施するために必要不可欠と考え、今回の検討に至っている. 令和2年度は,曝露試験を開始し,その腐食状況を電気化学的に経時計測した.その際,土粒子の粒度,溶存酸素量,pH等を計測し,これらの値との関連性を評価した.また,腐食抑制に関して,各種パラメータが電気化学的特性に及ぼす影響を評価し,令和3年度から開始する曝露試験について基礎データを取得した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19による緊急事態宣言の発令により実験の開始が遅延したが,全体スケジュールとしては当初の予定通りに検討が進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度からは,昨年度開始した曝露試験を継続的に実施するとともに,腐食抑制に向けた新たな曝露試験を実施する.
|
Causes of Carryover |
COVID-19により,曝露試験の開始が遅延した.これに伴い,令和2年度に予定していた曝露試験の回収を一部取りやめた.取りやめた分は電気化学的計測結果の状況を見ながらより長期の試験(例えば2年)の実施に活用する.
|