2022 Fiscal Year Annual Research Report
安全性・メンテナンス性に考慮したオンサイト木橋の改良
Project/Area Number |
20K04658
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 文彦 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (10261596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 貴信 北海道大学, 農学研究院, 教授 (00279514)
野田 龍 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 准教授 (00626955)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オンサイト木橋 / メンテナンス / 環境外力 / 環境親和性 / 携帯タブレット / 定期点検 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全性・メンテナンス性に考慮したオンサイト木橋の改良として、最終年度は、新たな構造形式の検討とメンテナンス手法の検討を行った。本研究ではこれまで、豪雪山間部の登山道に自然景観に馴染む木橋を架けたいといったニーズに応えるため、現地まで部材を運びやすく、現地で組み立てやすく、積雪 4m に耐える剛性を保持し、腐朽した際の部材交換もしやすいオンサイト木橋の改良を検討してきた。これまでのオンサイト木橋は、豪雪地帯の想定外の雪荷重に対しては、剛性を高くした木・鋼ハイブリッド構造で荷重に正面から抵抗しようとしていたため、冬季の雪対策のために、登山道の歩道橋としてはオーバースペックな構造となっており、そのぶん環境親和性を犠牲にしていた。そこで、環境外力のうち積雪等の力学的環境外力の変化に対しては、構造形式の変換で対応し、腐朽等の常時の生物学的外力に対しては、定期点検を特別な道具が不要なタブレット等の手軽な手法で行えるようにすることで、環境外力に対する弱点を抱える木材であっても、厳しい自然環境の中で環境親和型の材料として利用できるような手法の可能性について検討した。オンサイト木橋がPC鋼棒の横締めにより箱桁構造を導入することで高剛性を確保しなければならないのは、冬季間の過大な雪荷重に対抗するためであるが、この冬季間の雪荷重さえ、構造形式の変換で回避できるのであれば、鋼部材への依存率の低い新たな木橋の開発へとつながる。一方、鋼部材への依存性が低いほど、木部材のメンテナンスの重要性は高くなるため、新たな構造の提案は、それに適したメンテナンス手法と合わせて検討する必要がある。
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