2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of constitutive model for creep and shrinkage behavior of concrete in steel-concrete hybrid structure
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20K04662
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40242002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 剛 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20432099)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鋼コンクリート複合構造 / クリープ / 収縮 / ひび割れ / 持続載荷 / スタッド |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート中に埋設された鋼スタッドにより一体化された鋼-コンクリート複合構造の部材接合部に持続せん断力が作用したときのずれ剛性や塑性変形といった力学的応答を把握することを目的として,持続せん断力が作用する押し抜き試験を実施した。持続荷重レベル,持続載荷履歴の有無,スタッド高さを実験変数として,作用せん断力とずれ変形に関する基本的な性質である線形性や重ね合わせ則の適用性について検討を行った。精度の良い実験を行うことができ,現象の検討に有効な基礎データを取得することができた。以下が明らかとなった。 一般的なコンクリートのクリープ性状と同様に,接合部のクリープずれ変位も持続載荷開始直後に急増し時間経過とともに収束する傾向,持続荷重レベルが大きいほどクリープずれ変位も大きくなる傾向があることを確認した。ただし,スタッドのひずみの計測結果より,接合部の持続載荷によるずれ変位の経時的増加は,コンクリートクリープ変形とスタッドの曲率の増加により生じていることが明らかとなった。スタッド降伏までは,概ねせん断力とクリープずれ変位が線形関係で表されることが明らかとなった。変動せん断力下のクリープずれ変位は,一定せん断力作用下のクリープ変形の重ね合わせでは表現できないことが明らかとなった。 持続載荷,除荷,再載荷を含む載荷経路での試験結果より,持続載荷は残留ずれ変位および除荷ずれ剛性に影響を及ぼすことを明らかにした。ただしその傾向の抽出,モデル化には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持続載荷時における鋼コンクリートの接合部の変形性状を精度よく測定する実験を実施することに成功し、有効な基礎データを取得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験はコンクリートの乾燥収縮が生じない条件下で行ってきた。本年度はコンクリートの収縮がスタッドに拘束されることによりコンクリートに導入される引張応力やひび割れが,持続荷重を受けた際のクリープずれ変位に及ぼす影響を実験により検討する。傾向を抽出することができたなら,モデル化を行う。また,昨年度,持続載荷後の除荷時のずれ剛性,残留ずれ変位を計測していたが,その法則性については未検討であったので,今年度は法則を見出し,モデル化を行う。さらに,持続せん断応力下における接合部の変形と応力伝達の微視的メカニズム解明のため,スタッド近傍のコンクリートの変形破壊性状について,実験において実測する方法を検討する。
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Causes of Carryover |
実験の一部を次年度に行うこととしたため。
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