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2020 Fiscal Year Research-status Report

RC柱を応急復旧するためのPVA-FRM吹付け溶接組立鉄筋巻立て補強工法の提案

Research Project

Project/Area Number 20K04664
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

磯 雅人  福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60377471)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords耐震補強工法 / 応急復旧補強工法 / 既存鉄筋コンクリート柱 / ポリビニルアルコール繊維補強モルタル吹付け / スポット溶接 / 溶接組立鉄筋 / RC巻き立て補強工法 / せん断補強効果
Outline of Annual Research Achievements

地震により被災した建物は,速やかに恒久復旧を行うのが原則である。しかし,耐震診断を行い,補強計画を立案し,恒久復旧がなされるまでは数ケ月以上の時間を要する。その間,建築物を継続使用するには,余震等に対する安全性を確保するための補修・補強(応急復旧)が必要である。しかしながら,従来の応急復旧工法は,騒音・粉塵の発生や工期が長くなるなど住民の負担は極めて大きく,それらを軽減することが求められる。本研究では,以上を解決するため地震等により損傷した既存鉄筋コンクリート柱(以下,RC柱)を高度に品質管理されたスポット溶接によりユニット化した組立鉄筋(以下,溶接組立鉄筋)を閉鎖型に組立て補強し,ポリビニルアルコール繊維補強モルタル(以下,PVA-FRM)を吹き付けてせん断補強する応急復旧補強工法を開発する。ただし,そのそのせん断補強効果は不明であるため,本研究では,損傷度を変動させた柱の曲げせん断実験を行い,本応急復旧工法のせん断補強効果を明らかにすると同時に,本応急復旧補強工法の設計法を開発・提案することを目的とした。
本年度実施した実験は,既存不適格のRC柱を想定した基準試験体,既存不適格のRC柱を本開発による補強工法により補強した試験体で補強量を2水準変動させた試験体,損傷させた既存不適格のRC柱をエポキシ樹脂注入により補修し,溶接閉鎖フープおよびPVA-FRMにより補強した試験体の計4体の曲げせん断実験を行った。
実験の結果,提案した本開発補強工法は,付着破壊に対する補強に効果を発揮し,せん断耐力を向上できるとともに,補強部のせん断補強量の増加とともにせん断耐力を向上できることが明らかとなった。また,損傷させた試験体をエポキシ樹脂注入により補修し,溶接閉鎖フープおよびPVA-FRMにより補強した試験体は,既存RC柱よりも耐力が向上し,せん断補強に効果があることが認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,地震等により損傷した既存RC柱を溶接組立鉄筋で閉鎖型に組立て補強し,PVA-FRMを吹き付けてせん断補強できる応急復旧補強工法を開発することである。
以上の目的を達成するために計画,実施された令和2年度の実験では,以下に示す知見を得た。
・「既存不適格のRC柱に本研究で提案された溶接組立鉄筋で巻き立て,PVA-FRMを吹付け補強された柱」および「既存不適格のRC柱に損傷を与え,エポキシ樹脂により補修し,従来型の補強方法により溶接閉鎖型に巻き立て,PVA-FRMを吹付け補強された柱」のせん断耐力は,既存不適格のRC柱試験体(無補強試験体)に比べて,せん断耐力を向上でき,せん断補強に効果があることが示された。さらに,せん断補強量の増加とともにせん断耐力が向上でき,従来の補強工法と同程度の補強効果があることが示された。
以上の結果から,既存RC柱および損傷した既存RC柱のせん断耐力を向上させるための手法を提案でき,その構造性能を定性的に示すことができたことから,おおむね本研究課題の進捗状況は予定通りに進んでいる。以上より,「おおむね順調に進展している。」と判断している。

Strategy for Future Research Activity

令和3年度,令和4年度は,当初の計画通り,以下に示す内容を実施する予定である。
<令和3年度>
・既存不適格のRC柱に溶接組立鉄筋で閉鎖型に組立て補強し,PVA-FRMを吹き付けてせん断補強できる応急復旧補強工法により補強された既存RC柱部材の靭性能を評価するため,曲げ実験を行う。試験体の変動要因はせん断余裕度(=せん断終局強度/曲げ終局強度)とし,その靭性能の評価を行う。
<令和4年度>
・地震等により損傷した既存RC柱を溶接組立鉄筋で閉鎖型に組立て補強し,PVA-FRMを吹き付けてせん断補強できる応急復旧補強工法の補強設計法を開発し,その妥当性の検証を行う。具体的な内容は,令和3年度,令和4年度に実施した曲げせん断実験のデータを詳細に分析,検討し,本補強工法により巻き立て補強されたRC柱部材の曲げ耐力,せん断耐力,変形性能の評価方法を提案,その補強設計法をまとめ,その妥当性の検証を行う。

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Published: 2021-12-27  

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