2020 Fiscal Year Research-status Report
鋼床版縦リブ横リブ交差部におけるデッキ進展き裂の疲労耐久性評価方法の確立
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20K04669
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
内田 大介 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (30650535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鋼床版 / デッキプレート進展き裂 / 疲労強度 / 大型車交通量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,鋼道路橋の鋼床版デッキプレート(以下,デッキ)-トラフリブ溶接部の横リブ交差部の疲労耐久性評価法を確立し,既設橋梁の維持管理計画に必要となる余寿命評価を可能にするとともに,新設橋梁に対しては,大型車交通量を考慮した合理的なデッキ厚を提案することである.疲労耐久性評価法の確立にあたっては,当該箇所の疲労強度と疲労強度評価に用いる参照点が必要となる. 疲労強度については,既往の研究成果だけでは強度データが不足していると考えており,いくつかの構造諸元をパラメータとして3年間で新たに7体の疲労試験を行う計画を策定している.R2年度は補助事業期間前に製作済みであった2体の試験体と,新規に製作した1体の計3体の試験体を対象とした疲労試験を実施した.デッキ厚12mmの1体は2000万回の繰返し載荷を行ったがデッキを貫通するき裂は発生しなかった.デッキ厚16mmの試験体は横リブウェブ厚の異なる2体である.既往の研究ではデッキ16mmの場合にはデッキを貫通するき裂が再現されておらず,荷重を1.2倍とし,載荷回数も従来の2000万回の1.5倍以上としたが,き裂はデッキを貫通しなかった.き裂の進展についてはひずみゲージを用いてモニタリングを行っており,試験終了後の破面観察と合わせて貴重なデータを取得することができたが,デッキ貫通に対する疲労強度データは取得できなかった.デッキ貫通については鋼材の材質も関係している可能性があり,当初考えていた構造パラメータを一部変更し,R3年度は鋼材の材質を変えた試験体を製作し,疲労試験を実施する. 疲労強度評価に用いる参照点の検討は既往の鋼床版の実大パネルを抽出した解析モデルから影響面を作成する方法により行う.R2年度は実大鋼床版パネルモデルに本年度実施した疲労試験体の構造パラメータ反映に着手し,現在も解析モデルを作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で大学に入校できる期間と時間が限られたこともあり,やや遅れている状況にある.具体的には,疲労試験は職員の協力も得ることにより,当初予定していたとおりの試験体数に対して実施することができたが,FE解析については,担当予定であった学生が昨年4月の緊急事態宣言下の自宅待機期間中に鬱病となってしまったことも重なり,着手が大幅に遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
疲労試験機の使用優先順位は昨年度同様に高とし,職員の協力体制も維持する.また,担当学生を,大学院進学を希望する学生として,4年生進級前の2月から実験と解析について鋭意指導にあたっている.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で試験体製作会社への完成検査に立ち会わなかったため,当該助成金が生じた.今年度の試験体製作費への充当を考えている.
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