2022 Fiscal Year Annual Research Report
鋼床版縦リブ横リブ交差部におけるデッキ進展き裂の疲労耐久性評価方法の確立
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20K04669
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
内田 大介 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30650535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鋼床版 / デッキプレート進展き裂 / 疲労強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,鋼道路橋の鋼床版デッキプレート(以下,デッキ)-トラフリブ溶接部の横リブ交差部の疲労耐久性評価法の確立である.疲労強度については,既往の研究成果だけでは強度データが不足していると考えており,種々の構造パラメータを変えた疲労試験の実施を策定している. 最終年度はデッキ貫通き裂のデータを増やす目的で,デッキ厚12mmでスカラップを有する試験体(溶接溶込み量30%),昨年度デッキ貫通き裂が生じたデッキ16mmの試験体が,材質をSM400とした影響であるのかを再確認する目的で,同じ構造パラメータで材質をSM490Yとした試験体の2体の疲労試験を実施した.結果,デッキ厚12mmではデッキ進展き裂が停留後,他の溶接線からき裂が発生・進展したため貫通データは取れず,デッキ16mmの試験体ではき裂の停留は確認できたものの,2000万回の繰返し載荷でもき裂は発生しなかった. 研究期間全体を通じ,補助事業期間前に製作済みであった2体の試験体に加え,7体の試験体を製作し,デッキ厚,横リブウェブ厚,スカラップ有無,鋼材の材質を変えた全9体,合計36本の溶接線の疲労試験データを蓄積した.そのうちデッキ厚16mm(横リブウェブ厚20mm,スカラップ無,鋼材の材質SM400)の試験体で初めてデッキ貫通のまでのデータを取得し,その貫通メカニズムがデッキ12mmと同じであることが確認できた. また,疲労寿命評価については当初はデッキ貫通き裂の寿命評価も考えていたが,貫通データの取得が困難であったため,ルート部から発生したき裂がデッキ厚の80%前後で停留することに着目した.本研究での試験結果に既往の結果も加えて整理した結果,停留までの寿命に横リブウェブ厚,鋼材の材質が及ぼす影響が小さいことがわかり,デッキ厚とスカラップの有無で疲労強度曲線を構築できる可能性を示した.
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Research Products
(2 results)