2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the development of a vibration reduction foundation system that enhances business continuity in developing countries in ASEAN
Project/Area Number |
20K04670
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岸 邦彰 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (70553189)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 震動低減基礎 / ノンエンジニアド建築 / 球状砂 / 転がり摩擦係数 / 風圧力 / 最大滑動変位 / 簡易予測法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、コロナ禍により遅れていた(2)温湿度の変化や経年劣化を受けた摩擦材料の機械的性質の把握と、(3)縮小試験体による振動実験と解析との整合性の把握、を実施する予定であった。(2)の実験に必要な恒温恒湿槽は2022年1月に納品され、実験計画を立案して、8月~9月中旬にかけて、実験治具や実験方法の調整を行っていた。しかし、9月20日にこの実験を行う予定の実験室において負傷者が生じる事故が発生した。本研究とは無関係であるが、実験室が大学の意向により閉鎖された。代替の実験室で実験を行うことが困難であり、(2)の2022年度内の遂行が不可能となった。(3)についても、振動台が同一の実験室にあるため、実験の遂行が困難となった。研究代表者にとって不可抗力とはいえ、予定の研究項目を実施することができなくなったことを、心よりお詫び申し上げます。 しかし、期首の目的を遂行するために、(3)については解析による検討に切り替え、(2)の代替として、球状砂による転がり摩擦係数の発生メカニズムの解明、震動低減基礎を適用した建築物の風圧力に対する滑動の検討、さらに、滑動システムの最大滑動変位予測法の検討、について鋭意研究を進めた。これらの結果、(3)に関連してNon-engineered建築物を模擬した3次元FEモデルを構築して、震動低減基礎の有無による同建築物の動的挙動の違いを把握したほか、摺動面のめり込みを考慮した転がり摩擦係数がTabor他の理論にほぼ合致していること、震動低減基礎の滑動のタイミングが建築物の浮き上がりにより変化すること、剛体の最大滑動変位をほぼ正確に予測でき、その予測も与えられた地震動波形から表計算ソフトを用いて容易に計算できること、などを発見することができた。 これらの成果を、2023年度日本建築学会北陸支部大会に2編、同学会全国大会に3編発表する予定である。
|