2022 Fiscal Year Research-status Report
火災による熱履歴を受けた鋼・コンクリート合成桁橋の疲労耐久性
Project/Area Number |
20K04673
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 理 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70411410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 雄亮 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00804121)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 橋梁火災 / 熱履歴 / 疲労耐久性 / 弾性合成理論 / 頭付きスタッド |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の大都市圏を支えている交通ネットワーク網に甚大な影響を与える災害リスク,特に,橋梁火災に対して,火災による熱履歴を受けた橋梁の安全性について総合的な評価方法については構築されておらず,損傷状況や安全性について適確に判断がなされていないのが現状である.そこで,研究代表者は,橋梁火災に対して,本学の八幡工学実験場・構造実験センターの設備での実験や解析ソフトを活用して研究を遂行してきた中で,建設頻度の高い鋼・コンクリート合成桁(以下,合成桁と略記)を対象に,火災による鋼桁および鉄筋コンクリート床版内の受熱温度把握や桁の耐荷力に関して評価を行ってきた.そこで,本研究では,後に重要となる交通を再開した際の力学特性,特に,火災の熱により亀甲状のひび割れが生じるなどの損傷が見られる鉄筋コンクリート床版を有する合成桁の疲労耐久性に関して新たに解明することを目的としている. 令和4年度は,まず,前年度に製作した供試体(支間長:7.0m(桁長:7.3m))の中央4.0mを対象に加熱試験(最高加熱温度:680℃,時間:30分)を行い,その前後で静的載荷試験を行った.その結果,加熱によりハンチ部や床版下面にひび割れが確認されたが,概ね,合成挙動を呈していることがわかった. つぎに,活荷重により発生する支間中央部の応力度が支間30mの合成桁橋における応力度と同程度となる荷重320kNで繰返し載荷試験を行い,ひずみおよび変位量の計測を行った.その結果,30万回までは合成断面として抵抗することが可能であることがわかったが,それ以降,50~78万回においてスタッドの破断が推測された. また,別検討にて提案したひび割れ密度に基づく熱履歴を受けた合成桁橋の評価手法を本実験結果に適用したところ,その妥当性が検証された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度の研究計画は,供試体の加熱と繰返し載荷試験を挙げており,2体中1体の加熱(680℃,30分間)および繰返し載荷試験を実施することは出来た. しかし,当初,予定していた繰返し回数(200万回)の半分以下で試験が終了するとともに,サーボジャッキの一部に不具合が見つかった. そこで,もう1体の加熱温度と時間について再検討を行うとともに(昨年度の結果との比較として,加熱せず,繰返し載荷試験のみを行うことも視野に入れている),ジャッキの修理を行うために研究期間を1年延長することにし,『やや遅れている』と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,残る1供試体の加熱温度と時間の再設定を行い,加熱,繰返し載荷試験を実施,最終年度として,結果のとりまとめを遂行する.
|
Causes of Carryover |
当初,予定していた繰返し回数(200万回)の半分以下で試験が終了するとともに,サーボジャッキの一部に不具合が見つかり,2体目の試験を中止したため,次年度使用額が生じた. その使用額は,令和5年度に実施する供試体の繰返し載荷試験の計測業務費用の一部に充当する予定である.
|
Research Products
(1 results)