2020 Fiscal Year Research-status Report
High accuracy enhancement with pseudo data assimilation of sea salt aerosol concentration for estimation of sea salt deposition on structures
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20K04675
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 望 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 教授 (40396768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構造物の維持管理 / 大気腐食 / 海塩粒子濃度 / 数値シミュレーション / 衛星観測データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大気中の海塩粒子濃度を計測し,衛星観測データと大気化学プロセスを含む領域気象モデルを組み合わせて,海塩粒子濃度の予測精度を向上させることを目的として,研究を進めた. 本研究の研究計画に従い,令和2年度は,①大気観測,②衛星観測データに基づく解析,③大気化学プロセスを含む領域気象モデルの3点について,研究を進め,得られた研究成果を取りまとめ,国内学会及び国際学会において発表を行った.具体的な研究成果は次のとおりである. まず,大気観測については,松江高専屋上において異なる2台の大気サンプラーを準備し,大気中の海塩粒子濃度の計測準備を進めた.また,ドライガーゼ法で計測された飛来塩分量及び気象要素(気温,湿度,風向・風速,降水)の観測結果を取りまとめ,その傾向を分析した.加えて,国内における大気中のCl-イオン及びNa+イオンの変動を明らかにするために,公開されているデータを取りまとめ,検討を行った. 次に,②衛星観測データに基づく解析については,公開されている衛星観測データを用いて,大気中のエアロゾルの変動を検討し,海塩粒子量の時空間変動の特徴を検討した. 更に,③大気化学プロセスを含む領域気象モデルとして,WRF-Chemを用いて,数値実験を行った.様々な物理モデルにおけるパラメタリゼイションの組み合わせを検討するとともに,異なる大気化学モデルCMAQの適用を検討し,予備的な数値実験を行い,二つの数値モデルの比較検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究計画に基づいて,現地観測,衛星観測データの解析,数値モデルを用いた数値実験の3点について,それぞれの研究を着手し,予備的な検討が概ね進んでいる状況である.令和3年度は,これまでの研究結果を踏まえて,導入予定の計算機を用いて,複合的に数値実験を行い,更に研究を進めることができる.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究結果を踏まえて,現地観測を行い,大気中の海塩粒子濃度を計測するともに,導入予定の計算機を用いて,異なる二つの数値モデルを適用した数値実験を行い,海塩粒子濃度の予測精度を検討する予定である.そして,疑似的データ同化システムの詳細を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
大気化学プロセスを含む領域気象モデルを用いた予備的な数値実験を行い,本研究で実施する数値実験に最適な計算機の性能を多方面から検討したため,計算機の選定に時間を要し,次年度に計算機を導入することとした.そのため,使用額との差が生じた.
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Research Products
(3 results)