2020 Fiscal Year Research-status Report
Spatiotemporal Complexity of Three-Dimensional Dynamics of Planes of Weakness and Diversity of Fracture Patterns
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20K04680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上西 幸司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60311776)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地震 / 地盤工学 / 動力学 / 破壊力学 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年9月の北海道胆振東部地震では道内全域停電のほか、大規模な土砂崩れが多数発生するなど、地震の発生の複雑性と関連する破壊現象の多様性について力学的により深く考察する必要があることがあらためて示された。これらの災害の多くは、地質学的不連続面の運動により誘起されると考えられているが、本研究課題では、これまでの研究代表者の研究内容をさらに深化させ、三次元不連続面の動力学の複雑性ならびに破壊の多様性に関わる諸現象を理論・数値解析、室内実験で再現するとともに、不連続面破壊に伴う近傍の構造物群の被災リスクを評価し、減災のための技術を提案することを目的としている。研究開始年度の令和2年度は、より精密な振動の計測が可能となるように既設の破壊実験システムの改良を図り、より高精度で変形や破壊も観察できるように順次作業を推進した。同時に、地盤類似材料である粒状体の力学的不安定化や動的変形の観察を進めている。また、脆性固体材料にあらかじめ存在する亀裂群の集団的振る舞いおよび動的相互干渉に関する実験、数値解析結果については、英文雑誌の他、いずれもオンラインで開催されたSeismological Society of Japan Fall Meeting(日本地震学会秋季大会)、AGU (American Geophysical Union) Fall Meetingのほか、土木学会関連シンポジウム(大阪府吹田市)等において公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り破壊実験システムを拡張し、計画していた研究を着実に進めている。また、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となる会議が相次ぐ中、オンライン開催の国際会議における発表の他、英文論文の形でも研究成果を公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は本科学研究費助成事業の中間年度であるが、研究に関しては当初の計画通り、構築した実験解析システムを利用して三次元不連続面の動力学の時空間的複雑性と破壊形態の多様性についての理解を深めていく。成果発表に関しては当初の予定とは異なり、新型コロナウイルス感染症の影響のため中止となる会議もあるが、オンライン開催のものに参加し滞りなく研究成果を公表していく予定である。
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