2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of mechanics evaluation method for integrity of embankment structures for long life
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20K04692
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金澤 伸一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20580062)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不飽和土 / 盛土構造物 / 築造解析 / 工法規定 / 降雨継続時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,気候変動による突発的豪雨によって盛土や河川堤防に代表される土構造物の崩壊事例が数多く報告され,毎年のように土砂災害に対する危険に苛まれているが,その崩壊に対する要因分析やメカニズムは十分に解明されていないのが現状である.土構造物の強度・変形特性は,降雨などの水理特性によって挙動が大きく変わることは広く知られている.また豪雨などの外的作用を要因として,その機能の低下が懸念される構造物も少なくない.そういった状況から,土構造物の安定に対する外的評価システム構築の必要性が求められている.そこで本研究では,築造から供用後に至るまでの降雨による内部の応力挙動の変化と,その後の断続的豪雨に伴う浸透による盛土崩壊メカニズムを実験と解析によって表現することで,土構造物が破壊に至るまでの降雨量と継続時間との関係を明らかにし,長寿命化を見据えた土構造物の長期供用過程での力学挙動の変化を定量的に評価する手法を構築する. 本年度は,築造時の施工課程とそのシミュレーション手法が最重要項目であると考え,土/水/空気連成解析によって築造シミュレーションを試みた.その際,土質材料(砂,シルト混じり砂)と敷き均し厚さ(30cm,50cm),転圧強度の違いによる影響に着目した.その結果,土質材料が盛土の初期応力状態に与える影響が大きいことが確認された.また,転圧強度の違いによる影響よりも,敷き均し厚さが盛土の初期状態に与える影響が大きく,盛土内部の応力状態の違いが顕著となることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究目的は,①築造時のシミュレーション手法を確立する.②実施工に則した施工課程と工法規定を考慮し初期応力解析を試みる.この2点である. その結果,異なる土質材料を用いた締固めと,様々な施工条件による築造を連続的に解くことで,築造の施工課程とシミュレーション手法を確立した.また,土質材料と施工方法が盛土の初期状態に与える影響を多面的に把握した. 本研究で用いる土/水/空気連成解析コードの適用範囲について十分な知見を得ることができ,一連の成果を得た. 以上のことから,概ね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,これまで得られている解析結果をもとに築造シミュレーションにおいて,施工中・施工後の盛土内部の応力変化にどのように影響を及ぼすかを解析的に明らかにするとともに,盛土の施工過程・施工完了時の状態が,初期条件からどのような影響を受けるのか考察を与える.その際,施工完了後の盛土の強度,変形も定量的にまとめる. さらに,断続的豪雨に伴う浸透による盛土崩壊メカニズムを実験と解析で比較検討することで,土構造物が破壊に至るまでの降雨量と継続時間との関係を明らかにし,長寿命化を見据えた土構造物の長期供用過程での力学挙動の変化を定量的に評価する.
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Causes of Carryover |
残額が少額のため,次年度予算とあわせて消耗品を購入する
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