2023 Fiscal Year Research-status Report
沿岸海洋防災のための高分解能海洋予測・観測に関する研究
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20K04708
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
久木 幸治 琉球大学, 理学部, 教授 (60305183)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 波高 / 漂流ブイ / 東シナ海 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後の地球の温暖化などによって海洋災害の激甚化が懸念されている。そこで波浪気候研究は基礎科学のみならず海洋災害の減災や将来の予測にとって重要である。波浪推算や再解析波浪データの活用は波浪気候研究に有用である。また波浪は海上風によって決定される。従って波浪気候の長期変動は海上風の長期変動の指標となるとも考えられる。 漂流波浪ブイは流れが強い外洋域でも波浪観測が可能である。従って再解析データ, リモートセンシングデータ,波浪推算モデルなどの検証に有効である。また波と流れの相互作用を調べるのにも有用である。ECMWF(欧州中期気象予報センター)によるERA5波高データは, 波浪気候研究に広く使用されている波浪再解析データである。これはERA-Interim(ERAI)再解析データを更新したものである。しかしERA5再解析データにおいても,その波浪モデルは海流の影響を考慮していない。Hisaki(2023)ではERA5波浪データ誤差の表層流速への依存性を評価した。さらにERAI再解析データと比べて, ERA5波高データがどのように改善したかについての報告をまとめた。高波高時における波高過小評価については改善が見られた。一方,ERAI及びERA5いずれの再解析データの作成には流れの効果が取り入れていない。従って流れに伴うERA波高の過大・過小評価には改善が見られなかった。また東シナ海を対象とした波浪研究についても,特に夏季における長期変動と台風の位置・頻度の長期変動との関連についても調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
波浪推算モデルの検証及び海洋レーダによる波浪推定に関する研究についての取り纏めがやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した海洋レーダによる波浪推定の検証に関する成果を論文として出版できるようにする。また東シナ海などの日本周辺海域を中心とした高分解能海流データの解析も行っており,その成果も纏められるようにする。
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Causes of Carryover |
成果を論文に纏めるのはやや遅れており,次年度は論文掲載及び学会発表のために使用するため。
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