2020 Fiscal Year Research-status Report
浅海域の貧栄養化解消を目的とした海底耕耘の定量的効果検証
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20K04713
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
柳川 竜一 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (70649095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 真千 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (40399168)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海底耕耘 / 数値流動モデル / オープンデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス拡大に伴う活動制限のため,現地調査に関わる全ての活動(水質・底質の現況調査,室内実験実施のためのサンプリング活動)は停止状態である. 現地での活動が制限されるなか,海底耕耘を行うための鉄製耕耘桁を製作した.桁の寸法は1500mm(長軸)×700mm(短軸)×500mm(高さ)を有しており,底質を引っ掻く鍬部分が斜めに出ている.重量は約50kgあり,桁両端をロープでつなぎ海に沈め船で引っ張ることを想定している.現地調査が出来る状況となり次第,関係者間と連携して実験を行う予定である. 瀬戸内海の水質情報については,自治体オープンデータ収集しデータベース化を図った.観測生データの収集が困難な項目については,関係自治体・省庁からも協力を頂いた. 志度湾の詳細数値モデル構築に向け,瀬戸内海全域及び備讃瀬戸領域の流動再現計算を実施した.豊富な観測データが収集できた2010年以降を対象に,大領域(瀬戸内海全域,空間解像度5km)および中領域(備讃瀬戸領域,空間解像度500m)の2領域ネスティング計算モデルを構築し,境界条件には気圧変動を考慮した天文潮,FRA-JCOPE水温塩分と気象再解析値の利用,ならびに1級河川流量の実測値を適用した.潮位変動は高潮発生時においても高い再現性が得られた一方,内湾域にて実際よりも塩分濃度が高い傾向が得られた.瀬戸内海への淡水流入は1級河川以外にも多くの地点で発生しており,それら影響を加味しないと塩分濃度の鉛直分布を定量的に再現することが困難であることが確認できた.2021年度以降も継続して精度向上に向けたモデル構築を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス拡大に伴う移動制限のため,現地情報の収集に関わる活動が全く実行できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
数値モデル構築活動は継続して進めていく. 志度湾における水質・底質調査ならびに現地試料を用いた室内実験は,移動制限が解除され多人数での活動が再開されるタイミングを見計らって行動を開始する.海底耕耘の現地実験は水温躍層が解消される冬季~春季にかけてが効果的と考えられるため,下半期における実施に向けて準備を進める.
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Causes of Carryover |
当初予定していた現地調査・現地実験ならびに付随する謝金などが中止に伴い執行されていない.これら残額は現地での活動に伴う費用であり,現地活動が再開され次第執行することを予定している.
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