2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Spatial Waiting-Line Auction Model and Its Application to Infrastructure Planning
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20K04715
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福本 潤也 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30323447)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Waiting-Lineオークション / All-Payオークション / 早い者勝ちメカニズム / 均衡分析 / 加速勾配法 / 動的ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は以下の2つの課題に取り組んだ. 第一に,消費者が異質性を有する不完備情報下における空間的ウェイティング・ライン・オークション・モデルの開発に取り組んだ.2020年度に複数地点に立地する消費者がある配布地点に集まるMany-to-Oneのケースと,消費者の立地地点が一箇所で複数個所の配布地点が存在するOne-to-Manyのケースについて分析したが,2021年度はそれらを発展させて,配布地点と消費者の立地地点がそれぞれ複数個所あるMany-to-Manyのケースについて分析した.更に均衡解を動的ダイナミクスにより求解する手法を開発した. 第二に,開発したモデルの応用問題として,避難施設に容量制約がある場合の災害避難行動について分析した.台風のように危険事象の正規時刻を事前にある程度予想可能な場合における災害避難行動について,避難開始時刻選択問題をMany-to-Manyの空間的ウェイティング・ライン・オークション・モデルを用いて定式化した.更に,避難所の空間配置と容量制約が災害避難行動に与える影響について数値実験を行った.分析結果として,小数の大規模避難施設を設置する場合と比較して(総容量が等しい)複数の小規模避難施設を設置した方が,1)より多くの住民が避難行動をとるようになるものの,2) 避難開始時刻は平均的に遅くなり,更に,3)一部の避難施設に避難者が集中して避難施設容量が効率的に利用されなくなる可能性があることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に実施うする予定であった分析内容は概ね終えているが研究成果の発表を一部行えていない.
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Strategy for Future Research Activity |
以下の3つに取り組む.第一に,情報提供の有無が均衡行動に与える影響について分析する.第二に,第一の分析結果を用いて,情報提供が災害避難行動に与える影響について分析する.第三に,応用問題として災害時の燃料配布問題について分析する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症により国内学会ならびに国際学会に参加できなかったことが理由である.2022年度も国際学会への出張は難しいと予想されるため,学術論文投稿のための英文校閲料等に振り替えることを計画している.
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