2021 Fiscal Year Research-status Report
多点観測型緑地評価指標を用いた広域CO2濃度変動評価技術の構築
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20K04716
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
桑原 祐史 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 教授 (80272110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 昌史 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (60362084)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CO2 / 多点観測 / 時系列分析 / ノイズ / メンテナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究成果は以下の4点である. ①茨城県内に設置した7観測地点のデータをネットワークで収集するシステムを更新・設定した.データ欠損がなるべく無いよう,複数日でエラー対処を行い,ネットワークが原因による欠損は無くなった.具体的には、補助的なアンテナを付与したり、PCを新たな機器に交換する等の改良を進めた. ②本研究を進める上で,メンテナンス作業が1つの障害になっていた.このため,センサ校正後,その状態をなるべく保つ温度や湿度削減方法を実験で検証し,標準ガスを現場で用いた作業を不要とできる可能性を見出した.検討の結果、センサを校正した後に、シリカゲルを入れたビニルを密閉し、比較的低温状態で保存することにより校正の効果が維持されることが分かった. ③2007年以来取得している観測データのすべてを接合し,長期時系列解析を地点毎に行うための基礎検討を行った.長期の観測では、ある年次にセンサのスペックが変更になった年度があった.この年度の前後で観測データの平均レベルなど、基本的な感度が変わっていないか、良く検討する必要がある.結論として、10年程度の間の生活環境圏におけるCO2濃度の変化と、コロナの影響、この2点の影響を考察することを目標としたい. ④極端地域(東京中心地など)における観測実験や,湖沼における観測に備え,ラズベリパイを用いた計測システムの立ち上げ実験を行った.安価な新たなセンサの導入実験も行ったが,ノイズが多く含まれるため,従来型センサとラズベリパイの組み合わせによる装置校正が望ましいことが見いだされた.それでも,費用に関しては十分に削減でき,より多点での計測を進めることができることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
茨城県内を多点で計測する実験は順調に進んでいる.1点,湖岸での水域の効果の検討は,コロナの影響により出張が難しく,現場設置の水槽による実験は行っていない.この点に関しては,実験室で水槽を組み立て,疑似的な自然水を使用した稼働実験を行っている.このため,2022年度はこの機器を現場に設置し,研究を進める計画としている.
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Strategy for Future Research Activity |
①多点観測に関しては,データ欠損に気を付け,できるだけ多くの観測データが収集できるようこのまま進める.そして,経年的なデータを結合させ,10年強のCO2濃度変動を分析する. ②水域の効果に関しては,なるべく早い段階で現地に水槽を設置し,湖沼水を用いた計測実験を行う. ③①と②をとりまとめ,水域の効果を考慮に入れたCO2濃度の地域性を議論できるIndexの改良と提案に結び付ける.
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