2021 Fiscal Year Research-status Report
強化学習とデータ同化を用いた携帯データからの日々の変動を捉えた人流データの生成
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20K04718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樫山 武浩 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (10611155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強化学習 / 人の移動 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の項目を達成することを目標に研究を実施した。 【研究項目1:(令和2年度~令和3年上旬)対象の日のトリップチェーンデータの構築】既存の移動データをモチーフ分析することで、人の行動パターンを分析する。この分析では、異なるデータによる分析結果の違いを把握するために、GPSデータと人の流れデータセットの2つのデータを使用する。それぞれの行動パターンに対して、トリップ総量がODデータと一致するように、位置と時間を決定することで、個々のトリップチェーンを生成する。具体的な実績として、複数の都市圏のPT調査データを分析することで、前年度に実施したモチーフの分布に加え、活動時間や目的別トリップ量などの特性が都市圏によって大きな違いがないことが分かった。この結果を踏まえて、Time-inhomogeneous Markov chain modelの構築を行い、その精度検証を行った。なお、一部の成果は、論文として取りまとめ、発表する準備を進めている。 【研究項目2:(令和3年度下旬)トリップデータにメッシュ人口データを同化】パーティクルフィルタを用いることで、行動モデルにメッシュ人口データを同化することで、日々の変動を応じたパラメータの算出するための研究を実施した。具体的な実績として、研究項目1で開発したモデルに対して、携帯電話ログデータより推計された500mメッシュデータを同化するためのプログラムを構築し、その効果を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提案では、強化学習手法を提案していたが、PT調査分析の結果をもとに、Time-inhomogeneous Markov chain modelを構築した。しかし、既存のモデルは、パラメータの調整の幅が小さく、観測データをデータ同化することが難しい。引き続き、強化学習手法の検討を続け、日々の変動を再現できる手法の確立を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは、研究計画どおりに、3つの研究項目の内、研究項目1、研究項目2を実施したが、期待した成果は得られていない。本年度の前半は、提案する行動モデル(研究項目1)、データ同化手法(研究項目2)を洗練させ、客観的なデータをもとに十分な検証を実施する。そして、研究計画に従い、本年度の後半には「研究項目3:システム化とデータセットの評価」を完了させる。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより、予定していた検証・評価用の携帯データの購入と論文掲載費等の使用を次年度に変更した。
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