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2020 Fiscal Year Research-status Report

気圧センサによる標高データを用いた位置算出方法の開発

Research Project

Project/Area Number 20K04723
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

横田 孝義  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (50417028)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords大気圧センサ / 標高データ / GNSS / 位置推定 / 動的計画法 / MEMSセンサ / 加速度 / 角速度
Outline of Annual Research Achievements

本研究は自動車の走行位置を衛星測位システムGlobal Navigation Satellite System(GNSS)による測位ではなく、Micro Electro-Mechanical System(MEMS)センサである大気圧センサを用いて算出した標高情報を用いて行う方法を提案している。
自動車に搭載した大気圧センサの情報(情報A)から自動車の走行中の道路の標高情報を算出し、この情報とあらかじめ計測して蓄積しておいた位置情報と対応する標高情報(情報B)の時系列情報とのパターン照合を行う。情報Aと情報Bが最も一致した時間軸上での点における参照情報の位置情報が対象車両の位置情報の推定値となる。参照信号との照合処理には動的計画法による方法と粒子フィルターによる方法を実現した。
このアイデアを実装し、実際のテストコースにおいて評価実験を行い基本的な有効性をか確認した。テストコースは1㎞程度の平坦な区間を含む起伏のある区間を含む鳥取砂丘周辺の一周4.8㎞のコース、3㎞程度の長い平坦部を含む片道10㎞の鳥取市内の往復コース(鹿野往来道路)である。大気圧を用いた標高情報のみを道路の特徴として利用する上記のアルゴリズムを適用した場合に標高の変化の多い区間では10m程度の誤差であったが平坦な道路区間では位置精度が低下し100m程度の位置推定誤差が発生が確認された。
改善案として気圧データによる標高データに加えてMEMSセンサによる加速度情報、角速度情報を特徴として加えることで最大誤差40m、標準偏差20m程の誤差に低減することが確認できた。現状の上記の照合処理における参照データとの照合の際尾時間分解能は0.5秒としているため、これを最大の20msまで向上させることで位置推定精度の向上の見通しを得ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理由1:提案アルゴリズムのプログラムへの実装が完了し、実際の車両を用いて公道での参照用データのデータ収集と評価用データ収集の手順を確立し、効率的な実験、評価が可能となっている。 また加速度センサ、ジャイロセンサなどによる加速度、角速度データの追加も対応可能な拡張性のあるプログラムの仕組みが出来ている。 評価に用いる実験コースとしては鳥取大学近隣の鳥取砂丘周辺の1周約5kmの周回コースと鹿野温泉、吉岡温泉化の片道10㎞の往復コースを設定して平坦な道路区間と起伏に富んだ道路区間を併せ持つ本研究の評価に適したコースを選定済みでありすでに当面の研究に必要な走行データを取得済である。また、スマートフォンに内蔵されたMEMSセンサだけでなくRaspberry Piを用いてジャイロセンサ、気圧センサ、気圧センサのデータを収集する実験装置も別途作成し柔軟な実験が可能になった。また、正確な位置情報の参照情報様にRTK-GNSSによるデータ収集方法も確率済みである。
理由2:最適化アルゴリズムとして動的計画法による方法および粒子フィルターによる方法の双方を実現しており、現在それぞれの最適化アルゴリズムの性能を比較評価中である。
理由3: 走行車両の位置推定のための参照信号と評価用信号の照合処理については時系列データとして時間軸上で行う方法と、空間情報として空間座上で行う方法の両案を検討しているが、現在の所、時系列として扱う方法の方に優位性を確認している。
理由4:研究成果の客観的な評価をすでに得ている。国内の研究会にて2件論文発表を行い、査読付き論文1件、査読付き国際会議論文2件が採択され技術的な新規性、有用性が客観的に評価されている。 また、あらたに査読付き国際会議論文を投稿済みである。

Strategy for Future Research Activity

当初経過通り、R3年度はR2年度で実施した固定的なテストコース、すなわち周回ルートと往復ルートに限定せず、道路網として意味をもつ複数経路を有するテスト道路網を設定し、その中での位置推定を行うアルゴリズムに拡張する。そのためには報告者の過去の研究のマップマッチングのアルゴリズムとの連携が大いに役立つと考えられる。この目的推敲のために以下の項目を実施する方向である。
1)気圧センサの精度と位置算出精度の関係の解析。標高算出に用いる気圧センサの精度が最終的な走行車両の位置推定精度とどのような関係があるかを理論解析、および実験により確認する。
2)他センサとのフュージョン。気札センサによって算出する標高情報のみからでは所望の位置推定精度が得られないことがあるが、そのような状況に対処するためにジャイロセンサと加速度センサの情報を加えて道路の特徴をより多角的にとらえて車両の位置推定を行うようにアルゴリズムの拡張を行う。
3)位置算出の時間軸の高分解能化 現在0.5s毎に走行車両の位置を算出しているが、さらに分解能を向上させ、元々のセンサの情報収集周期である20msの分解能で位置を算出するようなアルゴリズムに拡張する。この際に、時間的に低分解能で概ねの位置を算出し、その後に詳細な位置算出を行う2段階の方式をとることによって処理性能の向上を実現する。
4)データ構造の検討 本研究で使う標高、加速度、角速度の時系列として表現された道路の特徴情報の地図情報としての表現方法、道路ネットワークとしての表現方法、データ構造を具体化する。また、時系列データの圧縮方法についても検討を行う。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスによる感染症の拡大のために参加を予定していた国際会議(北京、米国チェンマイ等)がオンライン開催になったため渡航費用が必要なくなった。また国内の学会もすべてオンライン開催となったため交通費が不要となりその影響が大きく次年度使用額が生じた。次年度はこれを有効活用して実験装置の物品購入にあたり国際会議や学会論文誌の参加費用と執筆(英文添削費用)費用に生かしたいと考える。

  • Research Products

    (5 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Vehicle Localization by Dynamic Programming from Altitude and Yaw Rate Time Series Acquired by MEMS Sensor2021

    • Author(s)
      Takayoshi Yokota
    • Journal Title

      SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration

      Volume: 14 Pages: 78-88

    • DOI

      10.1080/18824889.2021.1906018

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Localization algorithm based on altitude time series in GNSS-denied environment2020

    • Author(s)
      Takayoshi Yokota
    • Organizer
      SICE Annual Conference 2020
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Localization Algorithm Based on Altitude Profile Matching Derived from Barometer2020

    • Author(s)
      Takayoshi Yokota
    • Organizer
      IEEE ICMA
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] MEMSセンサによる大気圧、加速度、角速度などの情報を用いた走行車両位置推定方法の検討2020

    • Author(s)
      ズル・フィクリン・ビン・バハリン、横田孝義
    • Organizer
      電子情報通信学会ITS研究会
  • [Presentation] 大気圧センサによる標高計測を用いた位置推定方法の検討2020

    • Author(s)
      杉浦彦音、横田孝義
    • Organizer
      電子情報通信学会ITS研究会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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