2023 Fiscal Year Annual Research Report
気圧センサによる標高データを用いた位置算出方法の開発
Project/Area Number |
20K04723
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Research Institution | Tokyo Information Design Professional University |
Principal Investigator |
横田 孝義 東京情報デザイン専門職大学, 情報デザイン学部, 教授 (50417028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 位置情報推定 / GNSS / GPS / MEMSセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
妨害電波やサイバーテロ、資源災害などの影響でGNSSのサービスレベルが低下した場合にも車両の走行位置をMEMSセンサ情報から正確に求める技術を開発した。具体的には以下の3つの機能を実現した。 1)ディジタル道路地図の道路リンク単位に参照用のセンサデータを関連付け、位置推定が必要な車両(評価車両)の走行状況に応じて参照すべきセンサデータを探索する。そのために、本研究ではリンク管理テーブルというデータ構造を定義した。この方法では、参照車両で収集したセンサデータの各道路リンクでの開始時刻と終了時刻を認識し、各全道路リンクに格納する。このためには、参照車両が各全道路リンクに進入して離脱するそれぞれの時刻が必要となる。これを実現するために、参照車両に搭載したRTK-GNSSによるcm単位の正確な位置情報を使用し、マップマッチングを行った。 2)評価車両と参照車両で走行速度に大きな相違がある場合、正しく相互相関関数を計算することが困難となる。このため、センサデータを走行速度に応じて時間軸上で圧縮または伸長して仮想的な時間軸上のデータに改めてリサンプリングを行う速度補償処理を行う。その後、両者の相互相関関数を計算し、最も類似度の高い時刻差を求める。この時刻差から評価車両の現在位置に存在した参照車両の走行時刻を知り、その時刻での参照車両の位置から間接的に評価車両の位置を推定する。 3)道路リンク単位での参照データの選択論理を実装した。評価車両が各リンクの終端に達する際に走行可能な複数の道路リンクの候補を列挙し、各道路リンクに関連付けた参照用センサデータとの正規化相互相関を計算する。そして最も相関の高い参照車両と評価車両の時刻差を求め、同時にその道路リンクを選択する。これらの方法を用いることで一般道路網における実験で平均でRMS誤差が3.3m、最大誤差が13.8mの水準の位置推定精度を確認した。
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