2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on High Accuracy Integration of Drone Aerial Photos and Maps using Onboard RTK-GNSS
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20K04725
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
杉田 暁 中部大学, 中部高等学術研究所, 准教授 (20650708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドローン・UAV / RTK‐GNSS / SfM/MVS / 高解像度リモートセンシング / 地理情報システム(GIS) |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、一般的なカメラ搭載小型ドローンを用いて、GCP(Ground Control Point)を使わず、機体に搭載したRTK-GNSS(Real Time Kinematic-Global Navigation Satellite System)による衛星精密測位により写真に位置情報を付与し、SfM/MVS(Structure from Motion/Multi View Stereo)技術を用いて作成する写真地図の誤差低減を目的とした研究を行った。特に以下の2点についての検証を実施した。(1)ホバリング精度の検証:本研究で新たに開発したドローン飛行・空撮手法である「ACP(Aerial Control Photo)法」では、SfM/MVS処理の際に用いる写真の一部(ACP)に精密位置情報を付与する。ACPを撮影するタイミングでドローンは誤差低減のためにホバリング静止するが、このホバリングの精度は、成果物としての写真地図の精度に大きく影響すると考えられる。この精度を検証したところ、概ね水平で40から50cm程度、鉛直で30から40cm程度であった。(2)写真地図精度のACP数依存性の検証:SfM/MVS処理により成果物としての写真地図を作成する場合に、写真地図の精度がACPの数に依存しているかを検証した。264枚の空撮写真に対して、ACPを48枚使用した場合、36、24、12、6枚使用した場合でそれぞれ写真地図の精度を検証したところ、明確な依存性はないことが確認できた。ACP法により作成した写真地図の精度は、水平方向で1m程度、鉛直方向で1.3m程度となっているため、誤差の要因は他にもあると考えられる。現在検討している要因は、(A)アンテナ位相中心とカメラ撮像素子中心の相対位置補正、(B)レンズの歪み補正、(C)ACP推定アルゴリズムのさらなる高精度化、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に鑑みて、概ね順調に進捗している。当初計画では、写真の付帯位置情報の高精度化のために、一般的に用いられるドローンよりも大型のサイズのドローンにシャッタータイミングを出力可能なコンパクトデジタルカメラを搭載する方法を検討していたが、この方式を取るドローンは市販されはじめ、新規性に乏しくなった。このため、本研究では計画に修正を加え、ソフトウェア的な対応により更なる高精度化を図り、かつ、どのようなドローンを用いても高精度な写真地図を作成できるような方法の汎用化を行うこととした。特に、誤差要因の検討と定量的な評価を行い、さらなる高精度化のために必要な課題を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に向けた研究の展開としては、RTKに匹敵する精度をもちつつ、基地局を必要とせずに精密測位を行う高精度単独測位:PPP(Precise Point Positioning)方式によるGNSS測位手法をRTKの代わりに用いるための実験・検証を行った。特にCLAS-PPP(Centimeter Level Augmentation Service-PPP)は、日本独自の準天頂測位衛星システムであるQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)や地上電子基準点網GEONET(GNSS Earth Observation Network System)からの測位補強信号を受信して、精密測位を行う測位方式であり、世界に先駆けて日本で運用が実現しているGNSS精密測位方式である。CLAS受信機は、これまで高価(50万円から200万円程度)だったが、2022年に小型・軽量の受信機が1万円程度の価格で販売開始されたため、本研究で用いるための受信機として最適である。これと2周波多システム受信機を組み合わせて運用し、測位精度の検証を行った。静止点での測位では、水平方向に約5cm、鉛直方向に約20cm程度での収束を得ることができた。この結果はRTKより劣るが、本研究で用いるACP法で使用するためには十分(ホバリングの揺らぎよりも小さい)である。また、移動体に搭載しての測位では、高速道路を中心に約270kmを走行しながら測位を行ったときに、約80%のFix率を実現している。
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Causes of Carryover |
・新型コロナウィルス感染症の拡大の影響により、参加を予定していた学会が中止となったり研究打合せをオンラインで行うことになり、旅費を繰越すことと なったため。 ・2022・2021年度の実験が、他の研究事業との相乗効果により効率よく進んだ結果、物品費・消耗品の支出が予定より少額となったため。 ・2022・2021年度の研究について、ハードウェアを用いた実験から、より効率がよく汎用性の高いソフトウェアを用いた方法へと変更を行ったため。 ・当初の計画では実施する予定はなかったが、本研究の発展的な課題として、本研究で取り組んだRTK-GNSSよりも簡易に衛星精密測位を実現できるCLAS-PPP、および3次元点群データを簡易かつ高速に取得できる安価なLiDARを導入して、本研究で得る写真と地図の統合データと3次元点群データを高精度に統合する手法の研究に着手し、更なる展開を検討する。
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Research Products
(52 results)