2020 Fiscal Year Research-status Report
A study on landscape planning, evaluation, regeneration based on cultural landscape concept
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20K04738
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 敬太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80565531)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文化的景観 / 地域再生 / まちづくり / 地域協働実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、前節に述べた2つの学術的問いに対して、大きく2つの研究目的を掲げる。第一に、環境・産業・社会に関わる景観形成システムの歴史的変化過程を評価する手法を確立することである。これにより景観の固有性を明らかにするとともに、景観形成のメカニズムを把握し、変化を予測し、脆弱性を補強する方法論を確立する。第二に、地域づくりの担い手の育成およびハード・ソフトプログラムの計画手法を構築することである。実際のフィールド調査および実践のなかで、地域・景観を支える担い手づくりや、多主体の連携・協働を生み出すための地域ダイアログ(対話)手法の開発を行う。2020年度は下記に示す4つの地区で以下の通り、調査研究を進めた。 ・国の重要文化的景観選定のための調査を進めている京都府・宇治茶の主要生産地である和束町原山・釜塚地区において、茶生産システム(生産・加工・流通)に着目した集落景観の歴史的変化とその要因に関する分析を行った。 ・歴史まちづくりの検討を進めている兵庫県・揖保川流域圏を対象に、醸造業・素麺業、原材料生産に着目し、これらの景観の資源調査ならびに歴史的変化過程に関する調査を進めた。 ・国の重要文化的景観選定後の整備計画の策定を進めている東近江市伊庭地区において、住民参加による景観の将来目標およびそのための方策に関する議論を深めた。同じく、国の重要文化的景観選定後の景観まちづくりを進めている近江八幡市の安土地区において、住民参加による地区別エリアビジョンの策定に関するワークショップを進め、たたき案の議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に述べた研究実績概要の通り、その進捗にうちは順調に進めている。ただし、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、現地でのヒアリング調査については、いくつかの地域についてできなかったため、当該箇所については2021年度以降へ繰り越した。一方で、2021年度予定の調査分を2020年度中に実施することで調整を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、実施出来なかった調査については、影響の比較的小さい時期に集中的に行うなど工夫して実施する予定である。その他については、予定通り調査研究を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度の調査旅費・謝金については、研究対象地の自治体(近江八幡市、和束町、姫路市、東近江市)から別途、関連する調査研究を受託して、調査研究費の使用が可能であったため、本科研費からの研究費の支出が小額となった。必ずしも、研究が進捗していないわけではない。また、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、学会発表などの機会が減少した影響も受けている。2021年度については、学会発表を含めて、予定通りの使用を見込んでいる。
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