2022 Fiscal Year Research-status Report
ユーザー感性に基づいた、わかりやすいバス路線図のデザインガイドライン構築
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20K04742
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉城 秀治 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (40734926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 浩 福岡大学, 工学部, 教授 (50243895)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バス情報 / バス路線図 / デザイン / ユーザビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある. そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図を対象とし,さらに本年度は路線図の設計に関わる議論の中でもその背景の描き方に着目した研究を行った. 路線網の複雑さごとに路線図のタイプ別の利用者評価について明らかにするために,まず全国からバス路線図を収集し,地図あり路線図とデフォルメ路線図それぞれに関してデザインの特徴を把握した.そして,路線網の複雑さに応じて路線図を分類し経路探索による評価実験を行うことで,地図あり路線図とデフォルメ路線図のどちらがよりわかりやすいかについて明らかにした.その結果,他のグループと比較してシンプルな路線図が多い路線図では統計的な有意差がみられず,地図あり路線図であろうとデフォルメ路線図であろうとわかりやすさ(ユーザビリティ)にさしたる影響はみられなかった.他方で,運行範囲が広くバス停数も多い路線図では,どちらの形態であってもわかりにくい(ユーザビリティが低い)との結果が得られている.これら結果は,バス事業者がバス路線図を描く際の一つの判断材料を示したものといえる. また,本年度からは自治体とも連携して,これまでの研究成果で得られた知見を活用しながらわかりやすいバスマップの作成と周知活動に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国のバス路線図の収集とそのデータベース化ならびにバス路線図の設計水準に関する検討は概ね完了し,論文として発表も完了した.その後,バス路線図の背景の描き方に関する結果の整理を進め,こちらについても論文として発表を完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から取り組みつつあるが,地元自治体と連携しながらこれまでの研究成果を実践的に活用していくことを想定している.
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Causes of Carryover |
論文の掲載が次年度にまたがったため。研究費は主にその掲載料に使用する計画である。
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