2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of children mobility from the perspective of Children Independent Mobility (CIM) and traffic safety
Project/Area Number |
20K04743
|
Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 耕輔 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (60469591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学研究科(研究院), 准教授 (50634226)
吉城 秀治 福岡大学, 工学部, 助教 (40734926)
葛西 誠 秋田工業高等専門学校, 創造システム工学科, 准教授 (20579792)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | CIM / 交通行動分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,Children Independent Mobility (CIM)に着目した子どもの交通行動を把握することを目指し,その手法について検討するとともに,子どもの交通行動と交通安全との関係性を明らかにすることである.また,本年度は初年度であることから,「研究フレームワークの確認」,ならびに「CIMの定義」,「CIMの実態把握のためのアンケート調査票の設計に向けた検討」を重点的に行った. まずは,CIMの概念を明確にするために,既往研究を整理した結果,CIMという概念は1970年代に研究が始まったようで,当初はCIMという名称ではなく,「License」と称しており,6つのLicense(The license to cross main roads alone, The license to walk places other than school, The license to travel home from school independently, The license to use buses/trains alone, The license to go out after dark, The license to cycle alone on main roads)によって,子供が危険にさらされることからどの程度遠ざかっているかを示す指標としていたようである.本研究におけるCIMを用いた評価に際しては,この6つのLicense という抽象的な指標を基本としつつ,定量的に評価できる指標を提案することが必要ではないか.また,CIMは,地域特性のみならず,親の考え方の影響も強く受ける可能性があることが考えられる.このことから,親の子供時代の経験が現在の価値観に影響しているのではないかという視点.そして,CIMが高くなると,どのような良いことがあるか.すなわち,Output や Outcomeの視点から,子供が大学生とか,大人になったときの健康状態などを把握する必要があるのではないか.ということなどを踏まえた調査票の設計が必要であることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は初年度ということもあり,本研究の目的を達成させるために,研究のフレームワークの整理を行った.そして,本研究におけるCIMの定義を行うための概念整理ならびに, CIMの実態を把握するために実施するアンケート調査票の設計に向けた検討を行った. 当初は今年度にアンケート調査の実施までを考えており,アンケート調査票の設計に際しては,プレ調査と位置づけた豊橋市内における実態把握のための現地調査を予定していた.しかしながら,コロナ禍により,アンケート調査票設計のための現地調査を実施することができなかった.そのため,方針を変更し,既往研究などからCIMの概念を整理するとともに,本研究におけるCIMの定義について検討するとともに,アンケート調査票設計に向けた準備をすることとした.そして,本格的なアンケート調査票の設計ならびにアンケート調査の実施は次年度に実施することとした.以上より,アンケート調査実施費用ならびに現地調査のための旅費などについては,次年度に繰り越すこととした.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,引き続き,本研究におけるCIMの定義について検討するとともに,実態把握のために,全国を対象としたマクロ調査ならびにプレ調査と位置づけて豊橋市を対象としたミクロ調査を実施した上で,本調査として,秋田,豊橋,福岡,香川を対象としたミクロ調査を実施し,CIMの現状の把握を進める.これにより,地域特性,あるいは個人属性などの特徴整理を進めていきたいと考えている.そして,本研究の成果を積極的に公表することを目指した取組みを実施する予定である. なお,CIMの概念整理を行うことにより,可能であれば,既往研究の著者などを招いたミニセミナーを実施し,本研究におけるCIMの概念整理の知識を深めることも行っていきたいと考えている. 以上を早急に進め,本研究の目的であるCIMに着目した子供の交通行動と交通安全との関係性を明らかにしていきたいと考えている.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により,先進地である英国への現地調査,ならびに豊橋への現地調査を実施できなかった.そのため,CIMの概念整理が思うように進まなかったことから,当初予定していたアンケート調査票の設計ができなかった.結果として,アンケート調査の実施もできなかった. 以上より,これらの予算額を次年度使用額とした.具体的には,アンケート調査票設計のための知見を得るための現地調査のための旅費ならびにアンケート調査(マクロ調査ならびにミクロ調査)の費用を次年度以降に繰り越すこととした.また,コロナ禍の状況を見極めつつ,引き続き先進地である英国への渡航を検討する.
|