2020 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of Internal State for Fire-damaged Concrete by Mini-Destructive Test Instruments
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20K04780
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
朴 相俊 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (90408758)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小径ドリル / 削孔試験 / 火害度 / モルタル / 内部性状 / 強度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
火害を受けた RC 構造物の既存の調査方法では、構造物に対するダメージが大きい、測定値に対する信頼性が低い、また、簡便に現場で圧縮強度を推定できないなど、分析に時間を要する点といった問題がある。一方で、本研究室では、削孔試験機を用いた微破壊強度推定方法について研究を進めてきた。これまでの研究では、小径ドリル型削孔試験機を用いてモルタルやコンクリート、煉瓦に対して削孔試験を行い、圧縮強度との相関関係について明らかにしてきた。既往の小径ドリル型削孔試験機を用いた強度推定に関する研究では、経年劣化に伴う強度低下を対象としたものを行ってきたが、本研究では更なる適用範囲を広げるため、火災が起きた時のことを想定した火害劣化を対象としている。 本研究では、火害を受けたモルタルの内部性状を定量的に把握することを目標に小径ドリル型削孔試験機を用いて火害を受けたモルタルの内部性状の把握について試みるものである。本研究では、火害を受けたモルタル供試体を小径ドリル型削孔試験機で削孔し、火害を受けていない試験体とで相対評価を行い、火害による劣化部の強度推定の可能性を示すものである。 また研究では、火害を受けたコンクリート構造物の強度推定に向けて基礎的なデータを得るため、データが安定した状態で本試験機を用いることができるモルタル試験体を使用した。また、実験要因としては、表面からの火害度をより明確に把握するため、加熱時間による影響について検討した。さらに火害を受けたモルタル表面からの劣化深さを定量化するために、削孔速度の変化を比較・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、火害を受けたコンクリートの構造物に対し、定回転、定圧力で被測定体を削孔し、その削孔速度から被測定体の劣化部の表層性状を定量的に明らかにすることを目指す。火害を受けた試験体を製作するため、モルタル試験体(W/C=60%)を製作し、1時間から4時間の耐火試験をそれぞれ行った。加熱はモルタル試験体が爆裂を起こさない500℃に設定した。加熱中および加熱後の測定項目は、モルタル試験体の内部温度分布と加熱後の表面状況(爆裂、ひび割れ深さなど)とした。 また、火害を受けたモルタルの内部性状を削孔速度から推定するための考察を行った。火害を受けたモルタルの加熱時間による変化は見られたが、定量化までは至らなかった。今後定量化に向け、信頼性のあるデータの蓄積が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
火害を受けたコンクリート試験体の評価を行う。熱電対を配置したコンクリート試験体(W/C=25, 40, 50%)を製作する予定である。ISO834標準加熱温度曲線による耐火試験を行う予定である。 また、モルタル試験体による実験と同様に、加熱時間はコンクリート試験体が爆裂を起こさない1時間加熱とする。また、加熱中および加熱後の測定項目は、コンクリート試験体の内部温度分布と加熱後の表面状況(爆裂、ひび割れ深さなど)、試験体深さ方向の含水率(中性化を含む)である。 火害を受けたコンクリートの内部性状を削孔速度から推定する。また、火害度による表層部劣化を定量的な評価を目指す。火害受けたモルタルの表面から内部に向けて空隙の変化を、実体顕微鏡などを用いて確認する予定である。
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Causes of Carryover |
試験機製作費において、一部の試験機関連部品に差額分(31,000円)が発生した。次年度の試験機消耗品代として使用する予定である。
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