2020 Fiscal Year Research-status Report
戸建て住宅向け低コスト調査と解析による丘陵地の地盤流動予測と液状化対策
Project/Area Number |
20K04781
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
余川 弘至 中部大学, 工学部, 講師 (20736087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々山 栄人 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 講師 (00624842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 戸建て住宅 / 丘陵地 / 数値解析 / 物理探査 / 液状化 / 地盤流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,戸建て住宅にも適用可能な信頼性が高く低コストで実施可能な地盤調査と数値解析を組みわせることにより地盤液状化に伴う地盤流動と住宅の被害を精緻に予測し,国民に正確で有益な情報を提供するとともに,防災・減災意識を高めることを目的としている。さらに,既存の液状化対策の効果を定量的に示すことにより,未だ遅々として進まない戸建て住宅向けの液状化対策を普及させることを目的としている。 2020年度は,COVID-19の影響で学内施設が予定通り使用できなくなる問題があったため,後期に実施を予定していた模型振動台実験の進捗が大幅に遅れている状況である。一方で,野外で実施することのできた2次元表面波探査は予定通り実施することができた。探査実施前に,調査地の新旧地形図および周辺ボーリングデータを利用することにより,対象地の盛土部と切土部を抽出し,探査の結果と比較した。その結果,盛土部では切土部に比べてせん断波速度が小さくなることがわかり,2次元表面波探査のみで,盛土部を抽出できる可能性を示すことができた。その成果は2021年度日本建築学会大会で報告する予定である。また,2021年度に実施予定であった数値解析による検討を前倒しで進め,構成式の改良を実施した。住宅の沈下量を決定する最も重要な要因であるせん断剛性の決定方法を修正した。これまで地盤深度に依らず一定のせん断剛性を与えていたが,拘束圧に依存させることにより,これまで過大に評価されていた沈下量を適切な値で表現できることが分かった。また,過去に実施してきた模型振動台実験の結果を用いて再現解析を進めているところである。構成式を改良した結果については2021年度日本建築学会大会で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響で,当初の計画通りに研究は進捗していないものの,実施可能である研究課題について先行して実施することで,研究全体の進捗は概ね順調に進展していると考えている。浸透固化工法による水平地盤下における遠心模型実験および人工ドレーン材を用いた遠心実験も実施することができたため,2022年度実施予定の対策効果の検証実験は大きく進捗するものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,2020年度に実施することができなかった重力場模型振動台実験を主に進める必要がある。2020年度とは異なり,換気施設の充実した実験室に振動台を移設したことにより,実験実施の妨げとなる要因を排除した。それに伴い振動台の性能調査および再現性の確認等が必要になったが,すでに完了している。一方,クレーン等の増設が必要となっていることから現在整備を進めているところである。模型実験自体に必要な準備は概ね整ってきているため,準備ができ次第研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で2020年度に実施する予定であった模型振動台実験を実施することができなかった。そのため,使用する予定であった実験に必要な消耗品費や備品費を使うことができなかった。計画から1年遅れではあるが,2021年度に2020年度実施予定であった実験を実施する。
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Research Products
(6 results)