2022 Fiscal Year Research-status Report
電気比抵抗をICT活用した杭施工直後の品質確認手法に関する研究
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20K04782
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
持田 泰秀 立命館大学, 理工学部, 教授 (60581171)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 施工模擬実験 / ソイルセメント / 電気比抵抗 / 無線伝送化 / 電波減衰 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、電気比抵抗調査の可能性として、場所打ち杭のスライムに関する室内実験と現場施工実験を実施した。 室内実験では、安定液に土砂が混入した場合を想定し、試験体作成から約24時間後に電気比抵抗の測定を行った。実験材料の安定液の配合は砂質土(珪砂7号)・粘性土(笠岡粘土)の混入を想定して、泥水を作製した。電気比抵抗を測定機器として、ポータブル型測定器とミキシングテスター測定器の2種類を用いた。通常の泥水粒子による沈殿槽であるスライム層上に混和剤の層があることにより、ミキシングテスター測定器のみで電気比抵抗値の低下を測定した。通常のポータブル型測定器では測定し得なかった。 現場施工実験では砂分率管理の場所打ち杭のスライム処理を実施した。実際の杭施工を行い、スライム処理前に懸垂型比抵抗測定装置で深さ方向の比抵抗測定を行った。更に、特殊ポンプとベントリープラントを用いたスライム処理を用いて、特殊ポンプに設置した交流4極電気比抵抗センサーにて、スライム処理時の時刻歴の砂分率と電気比抵抗の関係を測定した。これより、電気比抵抗による砂分率の定量的な評価式を導き出した。小さな砂分率領域での関係性には信頼性が乏しいことより、今後、追加の測定実験を行い精度を高める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、コロナ感染対策のために、実験や研究室での研究作業に制限が生じたため、進捗が遅れていた。しかし、今年度は、制限がなく順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本来のセメントミルクの電気比抵抗による強度推定の可能性を再検証する。電気比抵抗測定器をこれまでのポータブル型から、4電極の面積や距離を検討し、電気比抵抗の精度を向上させると同時に、測定の生産性も確保できる手法を提案する。 これまでより、精度を上げることで、より定量的な評価の可能性を検討する。 場所打ち杭のスライム処理での砂分率評価に電気比抵抗を用いる取り組みも、施工実験を実施し、より信頼性の高い電気比抵抗による評価方法を提案する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染予防対応で、学生主体の施工実験等の研究を当初の計画通り進めることが出来なかった。その代替の取組みとして、主に民間の研究機関の研究者と一緒に研究を進めることで、物品費や謝金が未使用となり、次年度使用額が生じた。 次年度は、コロナ感染予防対策対応も必要なくなったので、未使用分について当初の計画通りに室内実験を行ったり、新しい電極の作成に使用する。
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