2022 Fiscal Year Annual Research Report
円形孔を複数有する集成材梁の孔配置と耐力に関する研究
Project/Area Number |
20K04796
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡本 滋史 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (20769806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集成材梁 / 円形孔 / 割裂 / 木質構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
集成材に円形孔を1つ設けると孔が割裂破壊することによって耐力が低下し、孔を複数設けると孔の間隔が短い場合は孔が1つの場合に対して耐力がさらに低下する。そこで、本研究では孔を複数設けた場合の割裂耐力の算定式と割裂耐力が低下しない孔の配置基準の提案を行うため、孔径と孔間隔による耐力低下の割合を実験及び解析で検討した。 初年度は、有限要素解析で孔が1つの場合と2つの場合の孔周りに作用する繊維直交方向の引張応力度の変化を、孔径Dが梁せいHの0.05倍から0.5倍、孔間距離が梁せいHの0.1倍から2.5倍の解析仕様で調べた。次年度は、梁せいHが150mmと300mmで孔径Dが0.4H、0.2H、0.1Hの孔が1つの場合と孔が2つの場合の曲げせん断実験を実施し、孔が2つの場合で孔径と孔間隔が異なることにより耐力低下する割合が異なることを確認した。最終年度は、梁せいHが600mm、孔径Dが0.4H、孔間距離がHの孔が1つの場合と孔が2つの場合の曲げせん断実験を追加で実施した。そして、初年度の解析結果と研究課題18K13867「集成材有孔梁の耐力評価法の提案」の成果である円形孔が1つの場合の集成材梁の耐力算定式を用いて、孔が2つの場合の割裂耐力の算定式を日本建築学会構造系論文集で提案した。また、割裂耐力が低下しない孔間隔の提案も行った。他にも梁せいHが300mmで孔が3つの曲げせん断実験を行い、孔が2つの場合に比べて大幅に耐力が低下することを確認した。しかし、孔が3つの場合の耐力を推定できる方法は提案できておらず、孔が3つの場合については今後実験と解析による検討を追加で行い、耐力算定式の提案を行う予定である。
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Research Products
(3 results)