2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of wave-based numerical methods able to predict room acoustics at full audible ranges
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20K04806
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
奥園 健 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40727707)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 室内音響シミュレーション / 波動音響解析 / Partition of Unity FEM / 拡張作用境界 / 音響解析 / インパルス応答 / 吸音材料 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、建築音響分野において、従来困難とされてきた、可聴域全域の室内音響を高精度な境界条件に基づいて予測可能とする波動数値解析技術を確立することを目指している。具体的にはPartition of Unity FEM (PUFEM)による周波数領域での室内音響解析手法の開発を試みている。研究最終年度は、前年度までに提案した頑健な解析を可能とするメッシュ生成法の有効性を複数の室内音響問題を対象に検証するとともに、点音源を含む音場を解析するための設定の明確化、3次元解析のための3種類の単位球離散化手法の比較を行った。結果として、提案したメッシュ生成法に基づきホール規模の音場のインパルス応答を従来FEMに比べ離散化誤差に起因する波形の劣化なしに高精度に計算できることを明らかにした。また、付随して、本メッシュ生成法によれば、点音源を含む音場を安定的に予測できることが明らかとなった。単位球の離散化については、N個の荷電粒子系の一般化された静電ポテンシャルエネルギーを勾配降下法を用いることで最小化し、単位球の一様なテッセレーションを生成する方法が最も良好な性能を示した。
期間全体の成果として、本研究によって、次世代の周波数領域での波動音響室内音響解析技術の基礎を構築できたものと考えており、その成果は3編の査読付き英語論文誌に掲載されている。特に、より頑健に広帯域の応答を求めるための方法を提案し、適切なパラメータ設定に基づくPUFEMによる音響数値解析手法によって、従来FEMに比べ、飛躍的に少ない自由度で長時間にわたって誤差の蓄積がないインパルス応答波形を計算できることを明らかにした点は世界初の重要な成果であり、より信頼性の高い音環境予測の実現が期待される。また、PUFEMはVRアプリケーションとの相性が良いと考えており、今後、音響バーチャルリアリティへの活用も期待できる。
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