2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of evaluation on effects of utilizing a parasol on adaptation to thermal comfort for pedestrians in summer season
Project/Area Number |
20K04808
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
吉田 伸治 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (50343190)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 屋外空間 / 日傘 / 夏季 / 暑熱環境 / 適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、年度当初は(2)人工気候室・屋外被験者実測による歩行者の日傘利用の暑熱環境緩和効果の 評価、(3)放射・CFD連成解析による日傘表面ならびに人体部位別の熱・物質伝達率の推定、(4) 日傘利用による総合的な暑熱環境改善効果のサブモデルの開発、(5) 放射・CFD・多 分割人体体温調節機構連成数値解析に基づく街路空間内の 非定常・不均一暑熱環境評価技術への日傘サブモデルの組み込み、の4項目のサブテーマを掲げたものの、サブテーマ (2) については、新型コロナ感染防止対策への配慮から、人工気候室での計測を行うことができなかった。加えて、今年度は屋外での実測についても最も暑熱環境が劣悪となる7月後半から8月前半にかけて長雨が続き、実測できなかったことも大きく響いた。また、サブテーマ(3)については、取り扱う商用の解析ツー ルの活用方法の習得、数値人体モデル内の温熱生理モデルを組み込むための人体形状(CAD)データの修正に手間取り、十分な成果が得られていない。サブテーマ(4)についてはサブテーマ(3)の成果を受けて成果を出すための準備を進めている。サブテーマ(5)については、最終的な検証対象を令和2年度の取り組みで温熱環境実測を行った近鉄奈良駅を対象とすることを想定し、日傘モデルは未実装ではあるものの、これを対象としたCFD解析を行った。地形の起伏の考慮が不十分な課題があるものの、夏季酷暑時の温熱環境の再現が可能であることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定よりは遅れている。特にサブテーマ(2)で想定していた実験、実測が新型コロナ感染防止への配慮からできなかったことが大きい。また、今年度は屋外での実測についても最も暑熱環境が劣悪となる7月後半から8月前半にかけて長雨が続いたことも大きく響いた。サブテーマ(3)についても、解析に用いる商用の解析ツー ルの活用に不慣れなため、まだ十分な成果を得たとは言えない。これらの点は、令和4年度の研究の遂行時に合わせて取り組むべき内容と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、以下の項目のサブテーマに取り組みたい。(2) 人工気候室・屋外被験者 実測による歩行者の日傘利用の暑熱環境緩和効果の評価、(3) 放射・CFD 連成解析による日傘表面ならびに人体部位別の熱・物質伝達率の推定、(4) 日傘利用による総合的な暑熱環境改善効果のサブモデルの開発、(5) 放射・CFD・多 分割人体体温調節機構連成数値解析に基づく街路空間内の 非定常・不均一暑熱環境評価技術への日傘サブモデルの組み込み、(6)研究成果の総括。次年度は新型コロナへの配慮も緩和されると期待されるため、先ずは(2)の実験・実測で着実な成果を得られるように努力したい。
|