2020 Fiscal Year Research-status Report
A study on an adsorption concentration of skin and contamination mechanism caused by indoor SVOCs
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20K04809
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
Kim Hyuntae 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (90580382)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 準揮発性有機化合物 / 塩ビ建材 / 可塑剤 / 皮膚吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
室内に汚染される有害化学物質は居住者の健康に影響を及ぼすと報告されている。シックハウス問題を解決するため、室内における有害化学物質のガイドラインが定められている。また、新鮮空気を室内に取り入れるため、換気システムの設置が義務付けられている。しかし、準揮発性有機化合物(SVOC)は空気のみではなく、ハウスダストや建材の表面にも多く存在していることが報告されている。室内のSVOC汚染と人へのリスク評価は呼吸、経口摂取、経皮吸収が挙げられている。特に、日本と韓国の生活習慣は床にそのまま座ったり、横になったりすることで、PVC床表面と皮膚が直接接触する機会が多いため、皮膚からの暴露リスクが大きいと考えられる。本研究は、SVOC物質に対するリスク評価の中、経皮吸収に注目した。①室内の気中濃度と皮膚への吸着量、②建材の表面におけるSVOC物質のブリードアウト量と皮膚表面のSVOC濃度との相関性を明らかにすることがこの課題の目的である。そこで、今年度は実験に使用する建材を選定するため、JIS A 1904「マイクロチャンバー法」を用いて建材からのSVOC放散速度を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室実験に使用する建材を選ぶため、マイクロチャンバーを用いてSVOC放散実験を行った。建材は室内の仕上げ材として多く利用されている壁紙、PVCシート、水性ペイントなどである。建材はホームセンターやネットショップなどで市販されている物を購入した。建材の選定は、可塑剤として使用されているDBP、DEHPが多く放散される建材と、最近厚生労働省のシックハウス検討会で新たな規制物質として挙げられているTXIB、Texanolが多く放散された建材を選定した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室の中に実空間モデルを製作し、建材表面のSVOCブリードアウト量と皮膚表面のSVOC濃度との相関性を測定する予定である。そのため、建材からの表面SVOCブリートアウト量と皮膚表面SVOC濃度の測定方法を検討する。また、コンタミの少ない人口皮膚を選定するため、実験を先に行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で実験室の実験などが出来なかった。また、国内・国外の研究発表にも参加出来なかった。今年度は実験室実験及び現場測定を行う予定であり、この結果を学会などに発表する予定である。
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