The development of the air permeable ceiling ventilation system that contributes to moisture damage prevention of small volume housing

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K04811
• Research Institution: National Institute of Public Health
• Principal Investigator: 本間 義規 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (90331272)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 湿気 / 換気 / 熱水分同時移動 / 透気 / 繊維系断熱材

Outline of Annual Research Achievements

とりわけ小ボリューム住宅では、気積が小さく空気湿気容量を有効活用できないことから、湿害を防止するために適切かつ連続的な換気運用が求められる。換気設備設置は建築基準法に定められているが、その運転までは義務付けられていないことから、微生物汚染のリスクが常に付きまとう。ドラフトや機器騒音等が換気設備運転を妨げる要因であるため、こうした課題をクリア可能な適切な換気システムの開発が必要である。この目的を達成するため、繊維系断熱材を用いた省エネルギーな躯体透気型換気システムの構築を行う。令和3年度は，透気性吸放湿繊維断熱フィルタBVIを構成する部材の透気性能と加圧ファンの組み合わせおよび躯体隙間性状の影響についてシミュレーション検討を行った。具体的には，新型コロナウイルス感染症をはじめとするウイルス対策として，BVI層にサブミクロン粒子を除去できるフィルタを付加した場合を想定して，特に熱湿気性状のコントロール性能と換気量の確保の両立が可能かどうかを検討した。
WHOによると，MERV14相当（0.3～1μmの粒子捕集効率が75％以上85％未満）で新型コロナウイルス感染の可能性を低下させるとあるが，これに相当するフィルタの圧力損失は大きい。実験に先立ち，BVI層以外の隙間から流出する可能性を数値計算により確認した。令和4年度に，実験室実験により評価を行う。また，本方式を小屋裏給気方式以外の方法（ディスプレイスメント方式の床面付近給気）に適用することを目的として，平屋連棟方式以外にも拡張させることを検討している。その結果，2階建て多数室モデルではBVIの圧力損失を極力低減させることが換気経路成立の必須条件であることがわかった。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験とシミュレーションを併用しながら進めており、期待する成果は概ね得られている。ただし、当初計画にはなかったウイルスレベルのサブミクロン粒子除去も研究対象として加え、MERV13レベルのフィルタを検討しているため、最終年度も実験を継続的に行うことを計画している。

Strategy for Future Research Activity

サブミクロン粒子を除去するためのフィルター効果について、令和4年度に追加実験を行う。また、可能であれば実験住宅への実装も行う。多数室換気回路網シミュレーションやCFDの検討を加え、吸放湿性能を考慮した透気性繊維系断熱材（BVI）利用の換気システムのコンセプトを完成させることを目指す。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症への対応として、新たにサブミクロン対応のフィルタの検討を行うように実験とシミュレーションの実施計画を変更したことと、CFD解析を最終年度にずれ込んで実施することとしたこと、また海外での研究発表を取りやめたことにより、旅費執行分が減ったことなどが理由である。