2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04820
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
竹村 明久 摂南大学, 理工学部, 准教授 (70584689)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 臭気 / マスキング / 相関 / 効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
有害性の低い臭気による不快感には、マスキング効果による不快感の低減を行えば換気を可能な範囲で削減できて空調負荷削減を図ることができるという考えに基づいて、これまで使用したマスキング臭とは異なるPerillaldehyde(シソ香)を用いて、オフィスで想定されるカビ由来臭の化学物質を被マスキング臭に設定して混合集の主観評価実験を実施した。多種のにおいに対するデータが必要と考えたことから、カビ由来臭にはAcetone、Acetaldehyde、1-octen-3-ol、3-octanol、3-octanone、Isobutyl alcoholの6 種を充て、それぞれ3段階の濃度条件とした。計18の被マスキング臭とマスキング臭の単体試料と組合せ試料によって、総計37条件の試料を20名の実験参加者に評価させて、においの強さ、快・不快、印象、許容の可否について評価させた。混合臭の臭気強度および快・不快度は、被マスキング臭の評価に近くなる傾向になる組合せが多かった。マスキング臭に設定したPerillaldehydeの評価がやや不快側だったことが影響したと考えられた。また、既報にて提案した、被マスキング臭とマスキング臭の臭気強度差と、混合臭と被マスキング臭の快・不快度差との相関を算出したところ、これまでの検討例と比較して低相関ではあったものの、-0.66の相関係数が得られた。複数の被マスキング臭データをひとつにまとめて表示した本検討の場合でも、比較的高い相関だったことは、提案した「被マスキング臭とマスキング臭の臭気強度差と、混合臭と被マスキング臭の快・不快度差との相関」はある程度有効な予測手法と言えた。一方で、実験で得られた同相関関係の両軸の絶対値が小さかったことから、より大きな値でも再検討も必要と判断された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までで積み上げたデータとは異なる傾向が本年度は得られ、提案手法である相関関係の適用性にはもう少し多くのデータが必要であると判断されたことから、上記の判断とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
被マスキング臭とマスキング臭の臭気強度差と、混合臭と被マスキング臭の快・不快度差との相関が、どの被マスキングおよびマスキング臭の組合せには適用できるのかの検証が引続き必要であり、臭気強度と快・不快度それぞれの差の絶対値が大きいケースについて検討を実施して、一定の見解をまとめる予定である。
|
Research Products
(1 results)