2020 Fiscal Year Research-status Report
空調制御のために熱画像からAIにより非接触でリアルタイムな代謝量推定を試みる研究
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20K04824
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
大和 義昭 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 教授 (20450140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 城基 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (70422813)
木村 竜士 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (90571810)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 代謝量推定 / 熱画像 / 機械学習 / 画像認識 / 温熱環境評価 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は3年間の研究期間の初年度として,1.小型シングルボードコンピューターと小型熱画像カメラモジュールから成る熱画像撮影システムの製作.2.製作した熱画像撮影システムによる機械学習プログラムの教師データ用画像データの蓄積.3.Web上に公開されている物体検知アルゴリズムyolo v3を基にした画像認識による姿勢判別機械学習プログラムの試作.4.試作したプログラムでの実際の人間の姿勢判別精度の検証実験.5.教師データ数が異なる2つのプログラムの判別結果の比較による判別精度に及ぼす教師データ数の影響の検証を実施した.これらの成果は,2020年12月に開催された人間ー生活環境系学会で発表した. 上記の活動により,A.教師データを収集するための撮影やアノテーションの手順の確認・マニュアル化,B.姿勢判別プログラムのデバッグとプログラムを実行するパソコン上での仮想環境の構築,遠隔で共同研究するための連絡・通信体制の確認やハード・ソフト体制の整備がなされた. しかしその一方で,下にあげる2年目以降の実験での問題点や課題も見いだされた.I.コロナ禍で被検者を使えなかったことで仕方なく人体に代えてサーマルマネキンを用いて熱画像撮影を行ったが,サーマルマネキンではなく実際の人体をつかった教師データ画像の蓄積の必要性.II.教師データの水増しによる判別精度向上が期待できるGAN(敵対的生成ネットワーク)に対応したより高解像度な熱画像撮影.III.住宅内部での実態に近いより多様な姿勢の判別も可能にする教師データの蓄積.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮影システムの製作と姿勢判別機械学習プログラムの開発のために共同研究者の教員と学生が集まって勉強会を実施すること予定していたが,コロナ禍による移動制限により一度も開催できず,オンラインによる勉強会の開催にとどまった.オンラインによる勉強会では臨場感が欠けることがあったりしたため,プログラムについての習熟は当初の予定よりも進まなかった. また2020年度の後半には,世界的な半導体不足の影響のためか,撮影システムに欠かせない熱画像モジュールの入手が難しくなり,当初予定していた3人の共同研究者で撮影システムを統一することができなかった.また,当初は教師データ収集に被検者を用いた熱画像撮影を予定していたが,コロナ禍のために被検者を使うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進には学生の研究補助が欠かせないが,コロナ禍は昨年度から引き続いており,昨年度と同様に学生の登校停止などによる研究の停滞も予想される. 一方で,昨年度の研究により,各共同研究者の高専・大学間で熱画像カメラの解像度などの仕様は統一されなかったが,熱画像の撮影システムと姿勢判別プログラムが実行可能なパソコン環境は構築された.また,撮影手順やプログラムの操作方法はマニュアル化され研究室に新たに配属された学生でも一定の精度で研究業務は担当可能となった.これらのことから,仮に学生たちが登校可能となれば僅かな期間で昨年度並の研究データの収集は可能となっている.また,各高専で教師データ収集と姿勢判別プログラムを実行することで,当初は予定していなかった熱画像の解像度による判別精度比較研究が可能になる. また,教師データの作成に欠かせない事前処理であり,手作業によれば一定以上の時間を要するアノテーションについては,プログラムによる自動化・簡略化の余地がある. コロナ禍が小さくなり通常の研究体制に戻れば,本研究は当初の目標に近い研究推進が可能であるが,仮にコロナ禍が続いた場合であっても上記のように新たな研究課題に取り組んだり,3年目の実験に備えてより迅速に実験可能な体制をつくるための研究を実施する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために出張が制限されたため,共同研究者と所属学生が集まって実施する勉強会や実験装置製作や学会発表などのために当初は計上していた旅費がほとんど使われなかったためである.今年度にコロナ禍が収まったときには,勉強会や国内外への学会発表への旅費として利用する予定である.コロナ禍で引き続き出張が制限される場合には,共同研究をすすめるために,3人の共同研究者がそれぞれ所有する判別プログラムを実行するためのパソコンを相互に遠隔操作可能とする有料通信サービスの利用も計画している.
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Research Products
(1 results)