2022 Fiscal Year Research-status Report
空調制御のために熱画像からAIにより非接触でリアルタイムな代謝量推定を試みる研究
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20K04824
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
大和 義昭 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 教授 (20450140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 城基 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (70422813)
木村 竜士 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (90571810)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代謝量 / 姿勢 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
物体検知AIモデルに基づく姿勢判別AIモデルの判別精度の改善のため,熱画像カメラおよび普通画像カメラで撮影した男性3名,女性3名の画像約2500枚を,従来の物体検知モデルYolo v3よりも判別精度が高いとされる“Yolo v5”に学習させたモデルを構築した.しかし,構築したモデルの判別精度は全体として25%ほどにとどまった.学習データ数や学習方法の再検討が必要となる結果となった. 物体検知AIモデルのような大量の画像データによる事前の学習が不要であり,人間の躯幹部や四肢の関節部位の画像上での座標データが得られ,画像中の複数の人物の検知も可能であることから,骨格検知AIモデル“POSENET”による姿勢判別の可能性を検討した.POSENETにより得られる関節部位の座標データのうち,肩,腰,膝,足首に着目し,肩から足首までの高さに占める肩から腰,腰から膝,膝から足首までの高さの割合により立位,椅座位,平座位の姿勢を判別する方法を考案し,撮影した6人分約2500枚の画像を利用して人物の姿勢の判別精度を検討した.前記4関節部位の高さ方向の割合の姿勢間・撮影方位間で比較検討したところ,棒状でシンプルな形状である立位は比較的高い精度で判別できそうであるのに対して,腰や膝の関節が折れ曲がる椅座位や平座位では前方向からの撮影なのか後方からの撮影であるかにより肩,腰,膝,足首の関節の高さ方向の位置関係が大きくバラつき,前記4関節部位の位置関係からの姿勢判別は難しいことが判明した.また,手間と時間がかかる写真撮影によらないより容易な画像データの収集方法を検討するためにインターネット上の画像中の人物の姿勢をPOSENETで判別させその精度を検討したところ,POSENETでは臥位の人体の下半身の関節を検知しないことが多く,姿勢判別への応用にはまだ改善を要する項目があることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は2022年度までの研究期間であったが,コロナ禍で被験者をつかった写真撮影や代謝量測定実験ができない期間があったことから,研究期間を延長した. 今年度に本研究の実験を担当する学生に対するAIの基礎的な利用方法の説明・教育に若干の時間を要しているが,共同研究者間の連携により説明・教育が進み,昨年度の研究で明らかとなった今年度の研究課題に着手できつつある. 色々な姿勢や運動状態における代謝量測定については,6人の被験者と呼気代謝分析装置および心拍測定装置を用いた実験を実施し,姿勢・運動状態毎の代謝量データを得た.姿勢や運動状態を判別することによる代謝量の非接触・リアルタイム推定という本研究の課題のための基本的なデータを得ることができた.また,心拍数も同時に測定したため,代謝量と心拍数との定量的な関係を示すデータも得られた.非接触ではなくなるが,近年に普及が進む腕時計型の心拍計の装着により,より高精度な代謝量のリアルタイム推定が可能になり,新たな研究の方向性を示すデータが得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
物体検知AIモデルに基づく姿勢判別AIモデルの判別精度の低さの原因に,学習させる画像枚数の少なさ,学習させる熱画像についてはデータ容量を落とすために2値化していることの影響などが考えられる.今年度は学習させる画像枚数を増やすことと,熱画像については2値化されていないカラー画像での学習モデル構築・姿勢判別を研究課題として取り組む. 学習させる画像データを増やすことは,1.共同研究先の広島工業大で撮影された画像の学習データとしての取り込み,2.画像の反転・回転などによる水増し,などにより進める. 熱画像について2値化されていないカラー画像での学習モデル構築・姿勢判別のためには,2値化した熱画像をカラー画像に復元するプログラムは既に概ね作成した.これまでの研究期間中に撮影された数千枚の熱画像のカラー化を進めていく. 共同研究者間の連携をさらに進め,”熱画像からのAIによる姿勢判別”と”姿勢・運動状態毎の代謝量データの蓄積”を統合した”熱画像からのAIによる代謝量推定モデル”のためのプログラムを開発する.
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Causes of Carryover |
本来の研究期間は2022年度までであったが,コロナ禍で被験者をつかった実験・写真撮影が計画通りに進まなかったので,研究期間を延長した.今年度の使用額が生じたのは,昨年度より学生を雇用して行っていた実験のデータや撮影画像の整理が終わりきらなかったことが理由である. 今年度は,学生を雇用して代謝量測定実験のデータ整理に優先的に着手し,前期中の作業終了・予算執行を予定している.
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Research Products
(6 results)